米電気自動車(EV)新興メーカーのリヴィアンが8月6日、2024年第2四半期(4〜6月)の決算を発表しました。売上高は11億5800万ドル(約1600億円)で、ウォール街の予想平均11億5000万ドルにほぼ合致しています。最終損益は14億6000万ドルの赤字でしたが、R・J・スカリンジCEOは「当社にとって画期的な四半期だった」と述べ、年内の黒字化に強い自信を示しました。
第2四半期のリヴィアンの販売台数は1万3790台で、前年同期の1万3227台から微増にとどまりました。ただ、4月に実施した工場の改修による生産性の改善効果は、下期以降に本格化する見通しです。
リヴィアンは、コスト削減策を精力的に進めています。バッテリー製造工程から100を超えるステップを排除し、車体の製造に使う部品を50点、設計部品を500点削減しました。また、新型の社内製モーターユニットの導入により、従来モデルと比べて47%ものコスト削減を実現。今後も新技術の導入で、さらなる効率化が期待されます。
リヴィアンは第2四半期末時点で、78億7000万ドルの手元資金を確保しています。6月にはフォルクスワーゲン(VW)との提携を発表し、今後VWから最大50億ドルの投資を受けることになりました。提携の下、リヴィアンはVWと協力し、次世代のEVプラットフォームを共同開発します。
「当社の技術が差別化要因になっていることが証明されました」と、スカリンジCEOは語っています。リヴィアンは2026年初頭に発売予定の新型SUV「R2」の予約台数はすでに10万台を超え、さらに増加中とのことです。4万5000ドル(約640万円)からの価格設定で、より広い市場の開拓を狙っています。
ただし、リヴィアンの株価は決算発表後、5%以上下落しました。スカリンジCEOはブルームバーグのインタビューに応じ、業績改善の進捗をあらためて強調しています。