台湾の電子機器受託製造サービス大手、フォックスコン(鴻海科技集團)の自動車部門である自動車OEMメーカー、フォックストロン(鴻華先進)は、2024年10月8日、年次技術イベント「鴻海科技日(HHTD24)」において、新たに2モデルの電気自動車(EV)を発表しました。
フォックストロンが今回発表した新型EVは「モデルD」と「モデルU」です。モデルDはSUVとMPVの特徴を併せ持つ多目的ライフスタイル車両(LMUV)として設計され、イタリアのデザイン会社ピニンファリーナとの共同開発によるものです。車体長は5.195メートル、ホイールベースは3.2メートルで、エアサスペンションシステムを採用しています。空気抵抗係数は0.23と、高い空力性能を実現しています。
モデルUは新型の中型電動バスで、狭い都市路地や遠隔地での使用を想定して設計されました。高度な電子制御システムとADASシステムを搭載しています。
イベントでは、既存のモデルCの北米版も展示されました。モデルCは、フォックストロンのEVオープンプラットフォームで開発された最初の車種で、純電動SUVとして位置づけられています。0.27という低い空気抵抗係数を実現し、高性能バージョンでは0から100km/hまでの加速を3.8秒で達成し、700kmの航続距離を提供。この北米版は、2025年末に量産開始予定です。
モデルCは、初の台湾生産BEVとして自動車メーカー、ラクスジェンの「n7」ブランドとして2024年4月に本格発売されて以降、台湾市場で最も売れているEVとなっています。
フォックスコンの劉揚偉会長は、これらの新型車について「フォックスコンの自動車開発分野における幅広さと成熟度を示すものだ」とコメントしています。
フォックストロンは、小型車から中型バス、クロスオーバーSUV、全地形対応の電動ピックアップトラック、電動物流車まで、多様なEVソリューションの提供を目指しており、親会社フォックスコンのEMS業界での経験を活かし、次世代モビリティ産業における重要なプレイヤーとしての地位確立を図っています。