Amazonの子会社で、自動運転開発を手がける企業「Zoox」の共同創業者が、テスラの自動運転技術について厳しい見方を示し、2025年末までのロボタクシーサービス開始は困難との見解を示しました。
「根本的な問題は、彼らには実用的な技術がないことです」と、Zooxの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)のジェシー・レビンソン氏はTechCrunch Disrupt 2024で指摘しました。「ドライバーの補助システムとして大半の場合は機能するものの、人間の操作が必要になる場合があります。これは、人間を必要としないほど信頼性が高く堅牢なシステムとは全く異なります」
Zoox社のロボタクシー
自動運転技術には、レベル0(運転自動化なし)からレベル5(完全自動運転)まで6段階の区分があります。現在、一般道路で実用化されている自動運転技術の多くは、運転者による監視が必要なレベル2に位置づけられています。
レビンソン氏は、テスラが自動運転システムにカメラのみを使用している点も批判しています。「ロボタクシーを実現するには、テスラが現在車両に搭載しているよりもはるかに多くのハードウェアが必要です。人間と同じくらい安全なだけでなく、それ以上に安全でなければなりません」
同氏は、テスラのフルセルフドライビング(FSD)ソフトウェアを「2週間に1回程度」使用しているといい、「印象的ではあるものの、やや緊張を強いられます」と評価しています。「通常は正しく動作し、安心させられますが、突然誤った動きをすることがあり、『なんてこった!』と思うことがあります」
なお、Zooxは今後数週間以内にサンフランシスコとラスベガスで独自開発したロボタクシーの運行を開始し、2025年には早期ライダープログラムを展開する計画だと発表しています。
メイン画像:Zoox の共同設立者兼 CTO であるジェシー・レビンソン氏