CO2を排出しないエキサイティングなフォーミュラEに小池百合子都知事も大興奮
2025年5月17日、18日の2日間、東京都において公道を使用したフォーミュラE東京大会が開催されます。第2回目となる今回も、東京・有明を舞台に最新鋭のEVレーシングカーによる白熱したレース展開が期待されています。
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今大会の最大の目玉は、最新レーシングカー「GEN3 Evo」の投入です。このマシンは、FIA公認のシングルシーターレースカーとして最高レベルの加速性能を誇り、0-60mph(約97km/h)を1.82秒、0-100km/hを1.86秒で駆け抜けます。これは、現行のF1マシンよりも30%速い加速性能です。
「GEN3 Evo」は、従来のGEN3から推定2%の性能向上を実現し、さらなるパフォーマンスアップを達成しました。モナコサーキットの予選ラップを約2秒短縮するなど、あらゆるコースでワールドクラスのレースを提供します。また、より強靭で空力性能に優れた新型ボディキットにより、接近したホイール・トゥ・ホイールのレースが可能となりました。
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技術面での特筆すべき進化は、フォーミュラEのレーシングカーとして初めて、予選、レーススタート、アタックモード時に四輪駆動機能が利用可能となったことです。これにより、加速と制御を最大限に高め、レースの重要な局面でのスリリングな展開が期待されます。環境面では、リサイクル素材と持続可能な素材の使用率を35%まで高め(GEN3比9%増)、ハンコックの全天候型タイヤ「iON」の搭載により、グリップ力を5~10%向上させました。
2月10日、東京都庁第一本庁舎(東京都新宿区)で開催された「TOKYO GX ACTION フォーミュラE東京大会PRイベントオープニングセレモニー」において「GEN3 Evo」が披露されました。フォーミュラE オペレーションズのジェフ・ドッズCEOは「2024年の第1回大会は大きな反響があり、チケットは販売開始からわずか1時間ほどで完売しました」と手応えを語りました。「今年の大会は、新たに参戦するヤマハと、もちろん日本からは日産も参戦し、さらに新型車両の投入もあり、これまでにない興奮をお届けできると確信しています」と期待を示しています。
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イベントに参加した小池百合子都知事は「CO2を排出しないEVカーの最高峰であるフォーミュラEのエキサイティングなレースが目の前で見られると思うととても興奮しております」と述べ、「大会当日はレース会場の東京ビッグサイトでTOKYO GX ACTIONも開催する予定で、GXの技術が体験できるワークショップや、CO2削減のノウハウを楽しく学べるイベントになっております」と、大会の多面的な意義を強調しました。

レースでEVの魅力を実感! 東京都が目指す「カーボンハーフ」への理解を深める機会に
東京都は、2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減する「カーボンハーフ」を掲げており、運輸部門の脱炭素化を重要な柱としています。2030年に向けた運輸部門の目標として、乗用車・二輪車の新車販売における100%非ガソリン化、都内を走る自動車全てのZEV(ゼロエミッション・ビークル)化を掲げています。
この目標の実現に向け、東京都は公共用充電器の整備促進、ZEV購入時の補助金制度の拡充、EVやPHVの初期導入支援など、具体的な支援策を展開しています。さらに、EVインフラの整備も積極的に進めており、マンション等への充電器の設置促進や、商業施設等の駐車場への充電設備の設置義務化など、利便性の高いEV充電ネットワークの構築を目指しています。
大会期間中、東京ビッグサイトではTOKYO GX ACTIONが開催され、EVの充電システムや最新技術の展示、体験型ワークショップなど、GX(グリーントランスフォーメーション)がもたらす未来の生活像を示すイベントが予定されています。
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今年は日産に加え、ヤマハも新たに参戦を表明したことで、日本の自動車産業の技術力が注目を集めています。フォーミュラEは単なるレース大会ではなく、持続可能な社会の実現に向けた技術革新の実験場としても機能しています。レースで培われた技術は、市販EVの性能向上や安全性の向上にも活かされ、EVの社会普及を加速させる原動力となっています。
世界有数の大都市で開催されるフォーミュラE東京大会は、エキサイティングなレースを通じて、EVの可能性と持続可能な社会への展望を示す重要な機会となります。本大会を通じて、より多くの人々がEVの魅力を実感し、環境に配慮したモビリティの未来への理解を深めることが期待されています。
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