ボルボは2025年3月5日、新型のEV「ES90」を発表しました。同車はセダン、5ドアクーペ、SUVの3つのスタイルの特徴を組み合わせた新しいカテゴリーの車両として、欧州市場を中心に受注を開始しています。

ES90は、ボルボ初となる800Vテクノロジーを搭載。これにより、WLTPテストサイクルで最大700kmの航続距離を実現しています。充電性能も向上しており、350kWの急速充電ステーションでは10分間の充電で300kmの航続距離を追加できるとのことです。
また、次世代コアコンピューターとして、デュアルNVIDIA DRIVE AGX Orinを採用。従来の8倍の処理性能を持ち、ソフトウェア・デファインド・カーとしての機能を強化しています。空力性能も最適化され、空気抵抗係数(Cd値)は0.25と、同社の既存モデルの中で最も低い数値を記録しました。

同モデルは、室内空間ではパノラミックルーフや4ゾーンクライメートシステムを標準装備。音響システムには3つのグレードを用意し、最上位モデルにはBowers & Wilkinsの25スピーカーシステムが搭載されます。
Google内蔵の新世代インフォテインメント・システムは、5G接続に対応し、14.5インチのセンタースクリーンディスプレイ、9インチのドライバーディスプレイ、ヘッドアップディスプレイを組み合わせたインターフェースを提供しています。

ホイールベースは3.1メートルで、後部座席の乗員にもスペースを確保しています。 荷室容量は最大424リットルで、3分割可倒式のリアシートをすべて倒せば733リットルまで拡大します。フロントには22リットルのフランクも備えています。
安全性については、LiDAR 1個、レーダー 5個、カメラ 7個、超音波センサー 12個から構成されるセンサー群を搭載。これらのセンサーによる「セーフスペーステクノロジー」と呼ばれる安全システムにより、人間の視覚を超える視界を実現するとしています。

ボルボのCEOであるジム・ローワンは「ES90は最先端テクノロジーとスカンジナビアンデザイン、優れた快適性を融合させた真のプレミアムカーであり、SUVのEX90とともにフラッグシップモデルの一つとなる」とコメントしています。
ES90は同社にとって6台目のEVであり、EX90、EM90、EX40、EC40、EX30に続くモデルとして、電動化戦略において重要な位置を占めています。現在、欧州主要市場で注文受付を開始しており、その他の市場は2025年後半から2026年にかけて順次展開される予定。日本導入時期については現時点で未定となっています。



