トヨタ自動車は2025年3月12日、カーボンニュートラル社会の実現に向けたマルチパスウェイ戦略の一環として、欧州市場向けにバッテリーEV(BEV)のラインアップを拡充すると発表しました。
今回発表されたのは「TOYOTA C-HR+」「bZ4X」「LEXUS RZ」の3モデルです。欧州市場で主要となる小型から中型サイズのSUVをカバーするラインナップとなり、昨年末に発表した「アーバンクルーザー」と合わせて、欧州でのBEV市場の開拓を強化します。
特に注目されるのは新たにBEVを導入する「TOYOTA C-HR+」です。滑らかなスタイリングと広々とした室内空間を両立し、BEV専用のe-TNGAプラットフォームを採用しています。2タイプのリチウムイオンバッテリーが設定されており、容量57.7kWh仕様では航続距離455km、容量77.0kWh仕様では航続距離600kmを走行します。前輪駆動と全輪駆動も選択可能です。

「bZ4X」も同様に2タイプのバッテリー容量を設定し、73.1kWh仕様では従来型比で約70km航続距離を延長しました。また、トヨタ初となるバッテリープレコンディショニング機能を搭載し、冷間時の急速充電時間約30分を目標に開発されています。

「LEXUS RZ」は走りのコンセプト”The Natural”を追求し、バッテリーEVシステムを全面刷新しました。高出力モーターを搭載した「RZ550e “F SPORT”」も追加されるほか、ステアバイワイヤシステムや駆動力をマニュアル操作のように操作できる「インタラクティブマニュアルドライブ」機能を備えています。

トヨタのChief Branding Officerであるサイモン・ハンフリーズ氏は「トヨタのマルチパスウェイ戦略は幅広く、各地域にふさわしい在り方があり、進化していく」と説明しました。欧州市場ではBEVをポートフォリオの中心に据える戦略を明らかにしています。
3モデルはいずれも2025年後半から欧州で発売される予定です。トヨタは今後も各地域でのお客様ニーズやカーボンニュートラルへの貢献に向け、HEV、PHEV、FCEVを含む様々な選択肢の開発を進めていくとしています。

