GMは、英国・ロイヤルレミントンスパで開催された同社新デザインスタジオのオープニングセレモニーにおいて、新たなコルベットのコンセプトカーを公開しました。この「EVバッテリー技術」を搭載したとされるコンセプトモデルは、2025年を通じて複数のコルベットコンセプトデザインを世界に発表する大規模なデザインプロジェクトの第一弾となります。

今回公開されたコンセプトモデルは、生産計画のない純粋なデザイン研究として、GM英国デザインチームが白紙の状態から取り組んだプロジェクトです。航空産業からインスピレーションを得たというこのコンセプトは、コルベットの伝統的なDNAを継承しながらも、未来的な解釈で表現されています。
注目のポイントは「Apex Vision(エイペックス・ビジョン)」と呼ばれるデザイン要素。これは1963年のシボレー・コルベット・スティングレイの象徴的な「スプリットウィンドウ」にインスパイアされたもので、垂直の中央スパインがボディの中心を貫いています。このスパインは構造要素としての役割も果たしながら、道路と周囲の環境のパノラマビューを提供する機能を持っています。

このコルベットコンセプトカーのエクステリアデザインは、車両の上半分と下半分で異なるアプローチを取っています。上半分ではコルベットの伝統的なデザイン要素を未来的に再解釈し、下半分では機能的な技術設計に焦点を当てています。特に下半分には、EVバッテリー技術が構造に直接組み込まれ、ウィングやスポイラーなしでも効率的に空気を流す革新的なエアロダイナミクス要素が取り入れられています。
技術的には、アディティブマニュファクチャリング(積層造形)によるボディ構造を採用し、軽量化、部品数削減、運転の俊敏性を実現しています。また、フルラップアラウンドサイドガラスによるApex Visionの視界確保や、ガルウィングタイプのパワードアが特徴です。

サイズは全高1033mm、全幅2178mm、全長4,69mmで、フロントホイールは22インチ、リアホイールは23インチを採用。座席高はわずか127mmとレーシングカーさながらの低さになっています。
GMによれば、英国デザインスタジオの開設は欧州市場へのコミットメントを示すものであり、今後欧州でのキャデラック電気自動車ビジネスの拡大や、英国および欧州大陸全域でのコルベット販売を計画しています。
UK design center & Corvette design concept Gallery