フォルクスワーゲン・オブ・アメリカは、2025年型ID.Buzzバン約5700台のリコールを実施すると発表しました。驚くべきことに、そのリコール理由は3列目シートが「広すぎる」というもの。
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によると、ID.Buzzの3列目ベンチシートは見た目には3人が座れる広さがある一方で、実際の設計では2人乗り仕様となっており、シートベルトも2人分しか装備されていません。
この設計上のミスマッチは、連邦自動車安全基準第208号(衝突時の乗員保護規定)に違反しているとのことです。3人が座れるように見えるのに2人分のシートベルトしかないという状況は、「今回だけ」と3人目を乗せてしまいたくなる誘惑を生み出してしまい、これが安全性の観点から見過ごせない問題というわけです。

フォルクスワーゲンは、この問題をディーラーでの無償対応により解決するようです。具体的には何らかのトリム部品を取り付けることで、実際に使用できる座席幅を調整します。おそらく硬質プラスチック製の部品を追加することで、3人目が座れないようにする改修となるでしょう。オーナーへの通知書は2025年6月20日から送付される予定となっています。
幸いなことに、フォルクスワーゲンによれば、これまでこの広すぎる3列目シートに起因する安全上の問題は報告されていないとのことです。
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