2025年5月20日、パワーエックスと国際興業は、蓄電池を活用したEVバス向け充電システムの全国展開で提携することを発表しました。
この提携の第一弾として、国際興業バスさいたま東営業所(埼玉県さいたま市緑区)に、EVバス専用としては初となる蓄電池型超急速EV充電器「ハイパーチャージャープロ」が設置されました。本充電器の設置に合わせて、国際興業はBEV路線バス「エルガEV」(いすゞ自動車製)を埼玉県内で初めて導入し、さいたま市内各路線での営業運行を5月中に開始する予定です。

「ハイパーチャージャープロ」は大容量蓄電池を搭載しており、営業所の電力ピークを抑制しながら電気料金を削減し、最大出力150kWの高出力で効率的な充電を実現。さらに、車庫屋上に設置されたオンサイト太陽光発電設備(定格出力99kW)からの余剰電力も活用することで、運行に伴う温室効果ガスの排出削減も図ります。

国際興業は自社での導入・運用にとどまらず、さいたま東営業所で得たEVバスと充電器・蓄電池の運用ノウハウを国内の他のバス事業者にも共有します。パワーエックスの販売パートナーとして「ハイパーチャージャー」および「ハイパーチャージャープロ」の販売拡大を推進していくとのことです。
一方、パワーエックスは今後の運用データとバス事業者からのフィードバックを基に、蓄電池を活用した充電システムや他社のEVバス導入にも対応可能なものへと開発を進めていく予定です。また災害への備えとして、「ハイパーチャージャープロ」の蓄電システムを自立運転可能とし、停電時でも車両充電や営業所のBCP電源として活用できる機能の提供も計画しているとのこと。

「ハイパーチャージャープロ」は、最大出力150kW(ブーストモード・10分間)/120kW(連続出力)、充電方式はCHAdeMO、充電可能台数は2台となっています。搭載される蓄電システムの容量は358kWhで、これは約30世帯分の1日の電力使用量に相当します。

