中国の電気自動車大手BYD(比亜迪)は、2025年5月27日、欧州事業の統括本社をハンガリーの首都ブダペストに設立すると発表しました。併せて欧州研究開発センターも新設し、数千人規模の雇用創出を見込んでいます。
新本社はブダペスト11区に設置される予定で、これによりBYDのハンガリー国内拠点は5カ所目となります。同社は既にコマーロムでバス工場を運営しているほか、フォートとパーチに施設を持ち、セゲドでは乗用車工場の建設を進めています。
新設される欧州研究開発センターでは、2つの重点プロジェクトに取り組みます。第1は「モビリティの知能化」技術の統合、第2は「次世代電動化技術」の研究開発となっています。センターの従業員のうち、高等教育修了者の割合は90%以上を想定しています。

BYDは欧州でのローカライゼーション戦略の一環として、ハンガリーで開発した技術の特許化を進めるとともに、現地のスタートアップ企業やサプライヤーとの協業を拡大する方針。また、ハンガリー国内の少なくとも3つの大学と連携し、研修や教育機会の提供も行います。
ヴィクトル・オルバーン・ハンガリー首相は「我々の目標は、外国投資家に製造だけでなく開発機能もハンガリーにもたらしてもらうこと」とし、「今回の合意はBYDがハンガリーに開発拠点をもたらすこと、つまり新しい時代を切り拓くことを意味しています」とコメントしています。
BYDの王伝福会長兼CEOは「欧州事業の統括本社をハンガリーに設立することは、当社にとって自然な選択」と述べ、新拠点では販売・アフターサービス、車両の認証・試験、地域対応の車両設計・機能開発の3つの主要機能を担うとしています。