テスラエナジーは6月2日、同社の家庭用蓄電システム「パワーウォール」の生産台数が100万台に到達したと発表しました。この記録は、米国ネバダ州のギガファクトリーで達成されました。
Congratulations Tesla Nevada team on building our 1,000,000th Powerwall
— Tesla Energy (@teslaenergy) June 2, 2025
Powering American homes, boosting energy independence, and strengthening U.S. manufacturing pic.twitter.com/AxwiZRATLQ
パワーウォールは2015年に初代モデルが発売された家庭用蓄電池で、太陽光発電システムなどと組み合わせることで家庭のエネルギー自給自足を支援します。発売モデルは13.5kWhの蓄電容量を持ち、停電時のバックアップ電源としても機能します。テスラアプリを通じて、太陽光発電量や電気消費量をリアルタイムでモニタリングでき、エネルギー自給率の向上や節約の最大化など、利用者の目的に合わせて設定を調整できるのが特徴です。
現在、ネバダ工場での生産効率は急速に向上しており、2024年11月には1日1000台の生産を記録、2025年2月には1日1500台にまで増産しています。また、最新モデルのパワーウォール3(日本未発売)では、従来の2倍以上となる11.5kWの連続出力を実現しています。


日本市場では、2020年春から4人世帯が消費する約1日分の電気を蓄電することができるパワーウォール2の販売が開始されています。同モデルの現在の市場価格は、設置環境やサービス内容で販売店により幅がありますが、施工費込みで180万円(税込)前後。200万〜350万円程度で販売される競合他社の同等の蓄電池と比べ、実効容量(13.5kWh)に対するコストパフォーマンスの高さが評価されています。

一方、日本市場特有の課題も存在します。パワーウォールは国や自治体の補助金対象外となっており、その主な理由は2点です。
1つ目は安全規格の違いで、パワーウォールはグローバル標準のIEC規格を取得していますが、日本の補助金要件はJIS規格に限定されています。2つ目は通信プロトコルの相違で、日本独自のECHONET Liteが補助金要件となっているケースが多いものの、パワーウォールはグローバル仕様のため同プロトコルを搭載していません。
ただし、関係者によると安全基準については「IEC規格とJIS規格はほぼ同一であり、利用にあたって安全性に問題は全くない。JISはIECから作られているので、テスラはIECも補助金条件に加わることを希望している」とのことです。

日本国内での販売体制については、現在、多くの企業がテスラパワーウォール認定販売施工会社として活動しています。テスラは、積極的に認定販売施工会社を受け入れる方針を示しており、同社サイトより申し込みが可能となっています。また、現在の認定販売施工会社についても、テスラジャパン公式サイトで確認することができます。
なお、2024年4月に日本で初公開されたパワーウォール3の国内販売時期について、テスラジャパンは「未定」としています。