ロボタクシー事業を準備中のテスラが、テキサス州オースティンの陸運局(DMV)ウェブサイトに「既知の自動運転車オペレーター」として正式に登録されたことが、2025年6月9日に確認されました。これにより、テスラのモデルYを使用したロボタクシーサービスの開始が間近に迫っていることが示唆されています。
この登録について、テスラ関連の情報を発信するSawyer MerrittがX(旧Twitter)で「速報:テスラがテキサス州オースティンの地方DMVウェブサイトで『既知の自動運転車オペレーター』として正式に登録され、モデルYロボタクシーの開始が差し迫っていることを示唆している。テスラは『テスト』段階にあると記載されている」と報告。また、Tesla Yodaも「このページを毎日チェックしているが、6月9日は初めてテスラがリストに掲載された日だ」と確認しています。
テスラのイーロン・マスクCEOは先月、CNBCのインタビューで「6月末までにテキサス州オースティンの街でロボタクシーが走行する」と発言していました。マスク氏によると、テスラは約10台の車両でロボタクシーサービスを開始し、問題なく進行すれば数千台まで急速に拡大する計画だと述べています。サービス開始時はオースティン市内の特定エリアに限定される「ジオフェンス」方式を採用し、車内に人間の運転手は配置しない方針です。

テスラのロボタクシー構想は長い歴史があります。マスク氏は2016年から完全自動運転技術についての展望を述べており、2019年には「2020年末までに100万台のロボタクシーが路上を走る」と予測していました。昨年10月には、ハリウッドで専用設計の「サイバーキャブ」を発表し、2026年から生産開始、価格は3万ドル未満になると発表しています。

現在、自動運転車分野では、アルファベット傘下のWaymoが週25万回の有料乗車サービスを各都市で実施しており、市場をリードしています。テスラが今回採用するジオフェンス方式とテレオペレーション(遠隔操作)サポートは、マスク氏が長年批判してきたWaymoのアプローチと非常に似ていると、業界関係者からは指摘されています。

テスラの完全自動運転(FSD)技術は現在も「監視付き」として人間の監視が必要な段階にありますが、オースティンでのロボタクシー実用化が成功すれば、同社の自動運転戦略における重要な節目となることが期待されています。