グローバルエンジニアリングと芙蓉総合リースは、2025年6月14日、テスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」を活用したバーチャルパワープラント(VPP)を全国規模で開始したと発表しました。全国規模でのVPP展開は国内初としています。
VPPは、分散して設置された太陽光発電設備や蓄電池などの分散型エネルギーリソース(DER)を、IoT技術を活用して遠隔制御し、一つの発電所のように統合運用する仕組みです。電力需給の調整や系統安定化に貢献する技術として、再生可能エネルギーの普及に伴い注目が集まっています。

同サービスは「DERアグリゲーションサービス」として提供され、グローバルエンジニアリングが電力供給を行う特別高圧・高圧受電の顧客に対し、芙蓉総合リースが所有するパワーウォールを無償で設置。運用はグローバルエンジニアリングが担当し、昼間の出力抑制時間帯に充電、夕方時間帯に放電を行います。
この無償設置により、顧客側は初期投資やメンテナンス費用の負担なしに電気料金の削減効果と停電時のバックアップ電源機能を利用できるとしています。蓄電池の所有権は芙蓉総合リースが保持し、設置費用や維持管理費用も同社が負担する仕組みです。
2025年度内に100台の設置を目標とし、その後順次拡大する計画です。現在までに福岡のオフィスや高知の病院などへの設置実績があります。


利用希望者はグローバルエンジニアリングの電力供給契約とセットでの申し込みが必要で、同社(eigyou@g-eng.co.jp)が窓口となります。
使用するパワーウォールの主な仕様は以下の通りです
蓄電容量:13.5kWh
出力:5kW(連続運転)、7kW(ピーク)
放電深度:100%
充放電効率:90%
動作温度:-20~50℃
サイズ:1150×753×147mm
重量:114kg
最大10台まで接続可能
保証:10年
設置方式:床置き/壁掛け
テスラによると、パワーウォールは世界累計で85万台の設置実績があるとしています。国内では住宅用途での展開が中心でしたが、今回の事業用途での本格展開により市場拡大が見込まれます。
また、テスラは現在、パワーウォール設置などが当たる「Live on Sunshine」キャンペーンを実施中です。販売施工会社の認定制度も継続しており、同社ウェブサイトで申し込みを受け付けています。一般向けのパワーウォール設置相談も同社ウェブサイトで対応しています。