高級EVメーカーのルーシッド・モーターズ(Lucid Motors)は2025年7月29日、アカデミー賞ノミネート俳優のティモシー・シャラメを、同社初のグローバル・ブランドアンバサダーに起用すると発表しました。複数年にわたるパートナーシップ契約で、今年後半には新型高級SUV「ルーシッド・グラビティ」の初のグローバルキャンペーンに登場する予定です。
同社のマーケティング担当上級副社長であるアケルホ・オゴゴメ氏は「ティモシーは単なる著名な俳優ではありません。彼は創造的な力を持つ人物で、私たちと同様に慣習に従うことを拒む存在です。大胆で、洞察力があり、独創的な彼は、私たちのブランドを定義するのと同じ精神を体現しています」と起用の理由を説明しています。

シャラメは以前からルーシッド・エアの愛好者として知られており、同社が掲げる「Compromise Nothing(妥協しない)」というスローガンを体現する人物として白羽の矢が立ちました。オゴゴメ氏は「彼は自身の技術、選択、そして世界での存在の仕方において、真に妥協しないことの意味を体現しています」と評価しています。
今回のパートナーシップについて、ルーシッド・モーターズは単なる広告契約ではなく、創造性の共有、野心の一致、そして既成概念に挑戦する相互の推進力に基づくものだと強調。「画期的な技術が、文化的関連性と恐れを知らない想像力と出会ったときに、何が起こるかを示していきます」と、同社は今後の展開に意欲を見せています。
ティモシー・シャラメは1995年生まれの29歳。2017年の「君の名前で僕を呼んで」でアカデミー主演男優賞にノミネートされ、一躍世界的スターとなりました。その後、「DUNE デューン 砂の惑星」シリーズや「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」などの大作に立て続けに主演し、現在のハリウッドを代表する若手俳優の一人として確固たる地位を築いています。
最新主演作「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」では、伝説的ミュージシャンのボブ・ディランを演じ、アカデミー賞8部門にノミネートされるなど、高い評価を獲得しています。同作品は2025年2月に日本でも公開され、シャラメの演技力の幅広さを改めて印象づけました。

一方、ルーシッド・モーターズは2007年設立のアメリカの電気自動車メーカーで、カリフォルニア州ニューアークに本社を置き、高級電気セダン「ルーシッド・エア」で知られています。同社は「私たちは単に電気自動車を製造しているのではありません。高級モビリティの未来を形作っているのです」として、高級電気自動車市場でのプレミアムブランドとしての地位確立を目指しています。
近年、EV業界では著名人との協業が活発化しており、ブランドの認知度向上と文化的影響力の拡大を狙う動きが加速しています。ルーシッド・モーターズとシャラメのパートナーシップは、単なる製品宣伝を超えて、技術革新と文化的創造性の融合を追求する新しい形のブランド戦略として注目を集めそうです。