英国テスラの元スーパーチャージャー部門の3名が設立したEV充電企業「ハバー(Hubber)」が、2025年8月20日にロンドンで初の充電施設を開設します。同社は6000万ポンド(約108億円)の資金調達を完了し、都市部の商用車両向けEV充電インフラの構築を本格化させます。
ハバーの第1号施設は、ロンドン南東部のフォレストヒルに開設されます。フォレストヒル駅近くに位置するこのサイトには12基のEV充電ベイが設置され、150kW充電器3基と300kWデュアルヘッド充電器3基を備えています。サイトはRAWチャージングが運営し、開設最初の1週間は無料で高速充電サービスを提供します。
ハバーは2024年に設立された企業で、創設者はハリー・フォックス氏、コナー・セルウッド氏、ヒュー・レッキー氏の3名です。彼らはテスラ英国のスーパーチャージャー(SC)チームに所属し、英国とアイルランド全域で100か所以上のSCサイトと1200基以上の急速充電器の展開を監督していました。しかし2024年4月、テスラのイーロン・マスクCEOがSC部門全体を突然閉鎖したことを受け、3名は独立して新会社を設立しました。
ハバーの充電ハブは、タクシーや配送車両など高頻度利用車両のニーズに特化して設計されています。同社によると、タクシーは一般的な個人車両の5倍の頻度で充電を行うため、より多くの高速充電アクセスが必要とされています。充電ハブには基本的なアメニティとして洗面所や自動販売機が設置される予定ですが、主眼は車両の迅速な充電と道路復帰に置かれています。

主要投資家のジェームス・ベイリス氏は「都市部のEV充電は英国最大のインフラ課題の一つです。この独自のスキルを持つチームが課題に取り組むための資本を得たことで、国の電動化に重要かつ持続的な影響を与えることを期待しています」とコメントしています。ハバーは当面、英国とアイルランドでの事業に集中する方針ですが、将来的には海外展開も視野に入れています。また、ウェイモのような自律走行ライドヘイルサービスの将来的な充電需要にも対応できる設計を検討しているとのことです。
