ロボット企業ROBO-HIと丸紅の合弁会社であるAiROは、2025年12月15日、日本航空の協力のもと、羽田空港の制限区域内で自動運転トーイングトラクター「ロボカートラクター25T」による無人貨物搬送を開始しました。空港制限区域内でのレベル4自動運転による貨物搬送の実用化は国内初となります。
今回実用化されたロボカートラクター25Tは、中国のウェイハイ・グアンタイ・エアポート・エクイップメント製のEVけん引車をベースに、ROBO-HIが開発した自動運転システム「IZAC(アイザック)」を搭載しています。
本車両の最大の特徴は、路面工事が不要な完全自律走行型である点。従来の自動運転システムには、道路に磁気ネイルや電線、記号などを埋め込み、それを頼りに走行するインフラ依存型がありますが、ロボカートラクター25Tは車両搭載センサーのみで自律走行します。
また、同車両はROBO-HIが提供するマルチベンダー・ロボプラットフォーム「ROBO-HI(R) OS」と連携し、空港のカメラシステムと統合した交通制御を実現しています。このシステムにより、一人の遠隔オペレーターが最大10台のモビリティを管理でき、異なるメーカーの自動運転車両や手動運転車両も統合的に安全管理することも可能とのことです。

ロボカートラクター25Tは、日本航空の協力のもと走行試験を重ね、国土交通省航空局の審査を経て、空港制限区域内でのレベル4自動運転の承認を取得。AiROとROBO-HIは、今回の実用化をベースに空港でのDXと自動化をさらに推進するとともに、工場や倉庫などの大規模構内物流への展開も進める方針です。

