電動革命の波に乗る! EV株投資の秘訣 第9回
by じんべい
2024年第2四半期のテスラ納車台数は?
7月2日にテスラの2024年第2四半期納車台数が発表されました。結果は次のようになっています。
生産台数:41万831台
納車台数:44万3956台
この発表を受けて翌日テスラの株価は急騰し、一日で10%を超える上昇を見せました。
つい1カ月前までは170ドル台で推移していた株価は、すでに230ドル台に到達しています。
2日に発表された納車台数結果は、アナリスト予想平均43.9万台を上回る44.3万台となり、市場にポジティブサプライズを引き起こしました。数値的に示されている予想と結果の差はわずか数千台程度ですが、事前予想値はテスラの販売不振結果を考慮して下方修正していないアナリスト分も含んでいたため、多くの投資家は実際は41万台〜42万台程度だろうと見積もっていました。しかし、結果は44万台を超える納車となりました。
そのため、今回の結果は数値的な差以上に投資家に衝撃を与え、株価上昇につながったと考えられます。
投資家を驚かせたテスラエネルギー事業の急成長とは?
またもう一つ投資家を驚かせた発表はテスラのエネルギー事業の成長率です。同四半期のエネルギー導入量は9.4GWhとなり、過去最高を記録。この成長率は、前年比157%増、前四半期比132%増と驚異的な数値となっています。
第2四半期にテスラのエネルギー貯蔵導入量がここまで増加した理由については、2つの要因が考えられます。
一つは、テスラのバッテリー製造施設であるカリフォルニア州のラスロップ工場の生産能力が拡大していることです。この工場は2022年第4四半期に稼働を開始し、当初は2.5GWh程度の大型蓄電池システム「メガパック」を生産していましたが、徐々に生産量を増やし、最終的には40GWhの生産能力を目指しています。これは、年間1万台のメガパックを製造する能力を持つということ。このラスロップ工場の生産能力の拡大が、今回の前年比157%増という驚異的な結果につながったと考えられます。
またもう一つの理由は、テスラがメガパックの価格を大幅に下げたことでしょう。これにより需要が増え、今回のエネルギー貯蔵導入量アップに大きく貢献したのだと思います。
現在のメガパック価格は驚くほど安くなっています。昨年4月の持続時間2時間のメガパック価格は187万ドルほどでした。これが現在は103万ドルほどにまで引き下げられています。ほぼ半値近くまで価格が下がったことで、テスラの大型エネルギー貯蔵システムに対する需要が高まり、導入量の拡大につながったと考えられます。
メガパック工場の増強とバッテリー価格の引き下げが、今回のエネルギー導入量が9.4GWhと過去最高を記録した大きな要因と言えます。
2日に発表された納車台数レポートとともに、テスラ第2四半期の決算発表日も明らかになっていて、日本時間の2024年7月24日の早朝に決算発表が予定されています。
次回はこの決算結果についても、皆さんにわかりやすいようにハイライト記事を作成したいと思います。ぜひお楽しみに!
メインカット:提供元:Tesla, Inc.
文・じんべい
日本企業でサラリーマンをしながら、 米国株式投資や太陽光発電投資で資産形成し、2023年3月にサイドFIRE。 株式投資では、S&P500を積立投資しながら、 個別株はテスラを中心としたEV銘柄に集中投資を実行中。YouTubeチャンネル『じんべい【テスラとNio】について語るチャンネル』登録者数:約1万3000人。 X(Twitter)フォロワー数:約7000人。平日毎朝、Xにて前日のテスラ株価情報を発信、また毎週末にはYouTubeでテスラ株価ニュースを配信中。