ユナイテッド航空が、イーロン・マスク率いるスペースXのスターリンクと提携し、全ての機内で無料Wi-Fiを提供する計画を発表しました。この画期的な決定により、乗客の機内インターネット体験が大きく向上する可能性があります。
現在、ユナイテッド航空の機内Wi-Fiは4つの異なるプロバイダーによって提供されており、システムが複雑化しています。さらに、アメリカ本土でしか利用できず、頻発するトラブルや低速な通信速度など、多くの問題を抱えているのが現状です。
ユナイテッド航空の最高顧客責任者であるリンダ・ジョジョ氏は、「現在の仕組みでは、無料Wi-Fiを提供しても、有料オプションよりも悪い体験になってしまいます」と語っています。この問題を解決するため、同社はスターリンクの採用を決定しました。
ユナイテッド航空機
スターリンクは低軌道衛星を使用しているため、低遅延、高速、大容量の通信が可能です。また、将来的には世界中どこでも利用可能になると期待されています。「他の選択肢を検討する必要はありませんでした。スターリンクの性能は明らかです」とジョジョ氏は述べています。
導入は2025年から開始される予定ですが、1000機以上の航空機すべてに装備するには時間がかかるとみられています。しかし、ジョジョ氏は「できるだけ早く進めたい」と意欲を示しています。
新システムの導入により、乗客は無料で高速なWi-Fiを利用できるようになるだけでなく、機内エンターテインメントの質も向上する可能性があります。例えば、乗り継ぎ便で映画の続きを視聴したり、Netflixにログインして好きな番組を楽しんだりすることが可能になるかもしれません。
ユナイテッド航空機の機内の様子(写真:ユナイテッド航空)
新システムは、乗務員の業務にも大きな変革をもたらすと見られています。現在のテキストメッセージによる連絡から、ビデオ通話や音声通話が可能になり、地上スタッフとのコミュニケーションがよりスムーズになると期待されています。例えば、機内の設備に問題が発生した場合、その様子を動画で地上スタッフに送信し、迅速な対応につなげることができるかもしれません。
航空業界におけるインターネット接続の重要性は年々高まっています。ユナイテッド航空のこの決断は、他の航空会社にも影響を与える可能性があり、業界全体の機内Wi-Fi環境が大きく変わる転換点となるかもしれません。