米国のEVメーカー、ルーシッド・グループは2025年7月8日、同社の「ルーシッド・エア グランドツーリング」が1充電での最長走行距離においてギネス世界記録を更新したと発表しました。
今回の記録は、スイスのサンモリッツからドイツのミュンヘンまでの1205キロメートル(約749マイル)を、1度の充電で走破したものです。走行コースには山岳道路、高速道路、一般道が含まれており、多様な道路環境での実証となりました。
この記録は、2025年6月に樹立された従来の記録1045キロメートルを160キロメートル上回る結果となっています。

ルーシッドの製品開発担当上級副社長兼チーフエンジニアであるエリック・バッハ氏は「当社の製品は世界クラスの車両効率と最先端のドライブユニット、超高電圧アーキテクチャー、バッテリー管理技術を組み合わせており、他のどの車両よりも少ないエネルギーで長距離を走行できます」と説明しました。
記録を達成したルーシッド・エア グランドツーリングは、WLTPサイクルでの航続距離が960キロメートル、電費が13.5kWh/100kmを実現しています。最高出力は831PS(611kW)で、最高速度は270km/hに達します。
充電性能も優れており、16分間で最大400キロメートル分の航続距離を回復できる急速充電に対応しています。
今回の記録挑戦は、ルーシッドとロンドンを拠点とする起業家ウミット・サバンチ氏とそのチームによる2度目の協力によるもの。サバンチ氏は2024年にも同じルーシッド・エア グランドツーリングを使用して、1充電での最多国境通過記録(9カ国)を樹立しています。

ルーシッドは2021年に「ルーシッド・エア」の納車を開始し、現在はアリゾナ州の自社工場で「ルーシッド・エア」と新型SUV「ルーシッド・グラビティ」の生産を行っています。