8月10日(米国時間)、カリフォルニア公共事業委員会(CPUC)は、ロボタクシーの賛成派と反対派の双方がロボタクシーについての意見を述べた6時間に及ぶ公聴会の後に、米国のロボタクシー会社、Google系のWaymoとGM傘下のCruiseの2社に対して、サンフランシスコ市内での終日有料営業を承認しました。対象となる自律走行車の数に制限はありません。
米国のメディアThe Vergeのレポートによると、CPUCは、今まで時間と地域が制限されていたWaymoとCruiseの両社が、サンフランシスコ市全域で24時間365日いつでも車両を運行できるようにすることに、3対1で賛成票を投じました。これにより、WaymoとCruiseは、現在のUber や Lyft と同じようにロボタクシーを運営し、乗車料金を請求することができるようになります。
「今日は、カリフォルニア州民に自動運転輸送サービスを提供するための多くのステップの最初の一歩です」とCPUC委員のジョン・レイノルズ氏は、公聴会の終わりに述べました。
The Vergeの同レポートによると、一部の賛成派の住民と専門家からは自動運転の安全性は十分担保され、ロボタクシー事業はサンフランシスコ経済の発展に資するとの見解が示された一方、ロボタクシー事業に反対する意見も数多く見受けられました。
反対派の中には、サンフランシスコの大手テクノロジー企業に関して懐疑的で、カメラやセンサーが取り付けられたロボタクシーは監視国家のツールであり、IT企業は、その情報を要請に応じて法執行機関に引き渡す可能性があると指摘する市民もいました。また、ロボットカーによる雇用喪失を非難する人々もいて、トラック運転手やライドシェアの運転手たちは、自分達の仕事がコンピューターにとって変わられることについて不安を表明しました。
ロボタクシーのカメラやセンサーによって、市民が24時間監視されるとの指摘も
数ヶ月の間、ロボタクシーが道路で動かなくなり交通渋滞を引き起こしたり、バスや緊急車両を妨害する事件が相次いでいることを理由に、サンフランシスコ市の交通機関と消防署、警察署などが、CPUCに苦情を申し立て、24時間356日サービスの計画を再検討するように求めています。
CPUC委員らはWaymoとCruiseに対し、サンフランシスコ市当局や住民が提起したこれらの問題に対処するよう求め、「さらなる事件の報告があれば、CPUCは道路で許可されるロボタクシーの数を制限するか、企業の許可を完全に取り消すかを投票する可能性がある」とCPUCのダーシー・ホーク長官は述べました。
Waymoの共同最高経営責任者(CEO)テケドラ・マワカナ氏は、声明で「今日の許可は、サンフランシスコでの当社の商業事業の真の始まりを示すものである」と述べ、24時間365日稼働の承認の決定を自動運転車の歴史における「重大な瞬間」として称賛しました。
また、Cruiseの最高経営責任者(CEO)カイル・フォークト氏は「自動運転車業界にとっては大きなマイルストーンだが、さらに重要なのは、カリフォルニアが悲劇的な現状よりも進歩を優先しているという国へのシグナルだ」と述べました。
これにより、サンフランシスコではロボタクシーを24時間いつでも呼べるようになります。今回のCPUCの承認が、今後のロボタクシーの普及にどのような影響を与えるのか要注目です。
参照:The Verge「Robotaxis score a huge victory in California with approval to operate 24/7」