ポルシェは、ドイツのアイフェル地方にある、世界最長、そして世界有数の超難関コースとして知られるニュルブルクリンクの北コース(通称グリーンヘルサーキット)において、2024年後半にフェイスリフトされる予定の「ポルシェ ・タイカン」のプロトタイプが従来の記録を大幅に更新したことを、1月2日に発表しました。
同ドライビングを行ったのは、ポルシェ開発ドライバーのラース・カーン。安全用のロールケージとレーシングバケットシートが装着されたカーンが運転するタイカンは、20.8kmのコースを7分7秒55で走破。この公式タイムは、2022年8月にパフォーマンス用のパッケージを搭載した「タイカン・ターボ S 」でカーンが行ったドライブよりも26秒速い記録となります。
ポルシェは同リリースにおいて、このプロトタイプのタイカンを「ポルシェの本社工場、ツフェンハウゼンで製造された最速の電気自動車」であると伝えています。ドライバーのカーンが同コースを2022年に走ったタイカン・ターボ Sのタイムと比較すると、今回のプロトタイプがフィニッシュラインを越えた瞬間、2022年のタイカン・ターボ Sの記録では、まだ1.3km以上も後ろを走っていたこととなります。これは、ポルシェ・タイカンのパフォーマンスが、超難関コースのグリーンヘルサーキットにおいても大きく躍進したこと意味しています。
タイカンのモデル責任者であるケビン・ギーク氏は、「モータースポーツにおいて26秒は半永久的な記録です。ラース・カーンの北コースでの、センセーショナルな7分7秒55というタイムは、タイカンを電動ハイパーカーと同じレベルに押し上げました。そして印象的なのは、彼が数周にわたってほぼ同じタイムを記録したことです」と語っています。
今回の発表でポルシェは言及をしていませんが、このタイカンプロトタイプのタイムは、同サーキットで、2023年6月にトラックパックを装備したテスラ・モデルSプラッドが打ち立てた7分25秒231を17秒681上回り、グリーンヘルサーキットを走行したEVセダンの中で最速の記録となりました。
タイカンプロトタイプがグリーンヘルサーキットを走ったオンボードビデオの完全版は、2024年3月中旬に公開される予定です。