今年、75年周年を迎えるポルシェ(Porsche)のスポーツカーの歴史においては、革新的なコンセプトカーが常に未来への基礎を築いてきました。「ミッション X」のコンセプトスタディも、前方に開くルマンスタイルのドアと高性能で効率的な電動パワートレインで、ポルシェのハイパーカーを見事に再解釈しています。この、「ミッション X」は、6月8日にドイツのポルシェ ミュージアム実施された「ポルシェ スポーツカーの 75 年」の開幕前夜で初公開されイベントの主役となりました。
「ポルシェ『ミッション X』 は、959、カレラ GT、 918 スパイダーと同様、将来の車両コンセプトの進化的発展の原動力となります」とポルシェCEOのオリバー・ブルームは述べています。また、チーフデザイナーのミハエル・マウアーは「『ミッション X』 は、ブランドの中核に対する明確な取り組みです。このコンセプトスタディは、紛れもないモータースポーツの DNA と全体的な高級感の共生を象徴しています」と「ミッションX」がポルシェブランドの量産モデルに与える影響を語ります。
全長約 4.5 m、幅約 2 mの「ミッション X」 コンセプトスタディは、比較的コンパクトなハイパーカー。ホイールベースは、カレラ GT や 918 スパイダーと同様の2.73 mです。空力上の理由から、フロントには 20 インチ、リアには 21 インチの混合サイズのタイヤが装着されています。
全高 1.2mの以下の低いボディは、コンセプト スタディのための特別なロケット メタリックで仕上げられていて、ベルトラインの下にあるカーボン織りのデザインはサテン仕上げのロケットメタリック。ホイールには精巧なディテールが施されています。リアアクスルには、ほぼ透明なエアロブレードが取り付けられており、ブレーキ冷却を向上させるためにタービンのように設計されています。
カーボンファイバー強化プラスチックで作られた外骨格を備えた軽量のガラスドームが、両方の乗員の上に広がっています。ルマンスタイルのドアはAピラーとルーフに取り付けられており、前方へ向かって上方に開きます。このスタイルは、伝説的なポルシェ 917 レーシング カーで使用されていました。
ドライバーに対するこだわりは、2つのシートの色が異なる非対称のインテリアとそのカラーコンセプトにも表れています。運転席はアンダルシアブラウンのレザーパッドを除けば、運転席はカラハリグレーで、センターコンソールやダッシュボードと一体の色を形成しています。助手席は対照的なアンダルシアブラウン色で仕上げられています。CFRP製 シート シェルとモノコックに統合された 6 点式シートベルトのほかに、モード スイッチとシフト パドルを備えたオープントップ ステアリング ホイールを装備。機内には複数のカメラが搭載されていて、ドライバーがマルチパーパスコントローラーの録音ボタン(REC)を押すと録音が開始されます。
ポルシェによると、この「ミッション X 」が量産化される場合、ニュルブルクリンク北コースで 7 分台を突破した初の公道走行車両 918 スパイダー を超える最速の公道走行可能車両になるとともに、900 V アーキテクチャにより充電性能が大幅に向上し、現行の「タイカン ターボ S 」の約2倍の速さで充電ができるようになります。まさに、ポルシェの歴史を受け継ぎ未来を担うハイパーEVが「ミッションX」なのです。