2023年11月30日(日本時間12月1日)、サイバートラックの納車イベントが行われました。EVcafeでは「サイバートラックについて、知っておきたい10のこと」と題して、サイバートラックに関するQ&Aを日替わりでお届け。今回が最終回です!
Q10 サイバートラックに関するサプライズは何ですか?
A 48Vの採用、ステアバイワイヤーなど、革新的な機能が採用されていることです。
今回、サイバートラックはその外観や性能、価格などが多くの話題を集めていますが、自動車としての機能面でも、かつてないチャレンジを試みています。いくつかをご紹介してみましょう。
48Vシステムの採用
サイバートラックは、1950年代以降、すべての自動車が採用してきた12ボルト・アーキテクチャから脱却した最初の自動車になりました。従来の12Vシステムは、たとえばヘッドライト、空調システム、ワイパーなど、車載のすべての電気機器に電力を供給しています。
サイバートラックは、これを「48Vシステム」に変換しました。これによって電力の供給効率が向上し、電気が必要なときにより多くの電力を使用できるようになります。48Vシステムで使用されるケーブルは以前より85%も少なくできるため、48Vシステムの配線は12Vのセットアップよりはるかに安価になるのです。
ステアバイワイヤの採用
次に「ステアバイワイヤ(Steer-by-wire)」も採用されました。これは、ステアリング(ハンドル)とタイヤを機械的にではなく、電気信号で接続する技術です。これを導入した車は、ステアリングを大きく回す必要がありません。通常、Uターン時など、大きく旋回する際にはステアリングをぐるぐる何回転もさせる必要がありましたが、ステアバイワイヤなら、ギア比をソフトウェアで制御できるため、ステアリングを少し回すだけで大きく操舵できます。加えてサイバートラックは、後輪も向きをを変えられる4WSを採用しているため、「モデルSよりも小さな半径で曲がれる」とイーロン・マスクは述べています。これらの特徴は、YouTubeなどで色々なSNS動画でチェックすることができます。
レンジエクステンダーのオプション
実は、48Vやステアバイワイヤは、納車イベントの前から採用が確実視されていた機能です。しかし「レンジエクステンダー」がオプションで用意されたというのは、納車イベント以降に発表されていますので、これがもっとも大きなサプライズだったかも知れません。
標準装備のバッテリーに追加のバッテリーを接続すると、航続距離が伸ばせるという点で画期的です。例えば、サイバービーストなら標準の航続距離515 kmが、レンジエクステンダー追加で 705kmまで伸びます。レンジエクステンダーに関するより詳しい情報は、以下のページをご参照ください。
ルームミラー(バックミラー)廃止
これ、何気にインパクト大な案件だと思います。サイバートラックには、ルームミラーがないんです。サイバートラックは、トランクルームをすっぽり覆うトノーカバーをクローズすると、後部座席後ろの硝子窓が塞がれて、後の視界がなくなります。なので、この状態ではルームミラーはあっても役に立ちません。
そもそもテスラのすべての車種には、ボディの周辺に複数のカメラが埋め込まれており、後方を映すカメラが必ず存在します。なので、このカメラをルームミラーがわりに使うという仕様。後方の模様は常時ディスプレイに映像として映しておくことが可能なのです。
実は日本でも、ルームミラーはなくても車検は通ります。ドアミラーなどで後方がしっかり見えれば大丈夫。アルピーヌA110Rのように、ルームミラーなしで輸入されている車も存在します。
※2024年1月現在、北米で納車されているサイバートラック(サイバービースト)には、ルームミラーが装着されているようです。
以上、先週から今週は「サイバートラックウィーク」と称して、日替わりでサイバートラックの情報をお伝えしてきました。EVcafeでは、今後もサイバートラックに大注目していきます。お楽しみに。