EV充電インフラ事業を展開するテラチャージは、ビックカメラグループのコジマが運営する電気量販店コジマ×ビックカメラ足立加平店の駐車場に、テラチャージ初となる最大出力150kWのEV急速充電器1基(口)を設置し、2024年6月3日よりサービスを開始しました。
テラチャージの150kW急速充電器は、約6分の充電で100km程度走行可能なのが特徴。国内で一般的に普及している急速充電器(50kW出力)を使用した場合と比較して、充電時間を約6割短縮することができます。今回、コジマ×ビックカメラ足立加平店へ設置されたのは、その1号基。利用者は目的地充電として活用することで、店舗での買い物を楽しんでいる間にEVを充電することができます。
日本国内では、経済産業省がEV充電器の設置目標を2030年までに30万口とするなど、充電環境の整備が全国で求められています。ただ、その普及拡大に向けては、従来の充電器の性能では充電に時間がかかることが課題のひとつとなってきました。
そこでテラチャージは2023年9月末に、従量課金に対応した150kWの超急速充電器を、東京都を対象に1000カ所限定で無料設置することを発表。この1000カ所という設定は、東京都内のガソリンスタンドの件数と同程度。初期費用/維持・管理費用無料による超急速充電器の提供で、ガソリンの給油並みに気楽なEV充電環境を都内に構築するという計画が進められています。
5月末には、ドイツにおいて大手ガソリンスタンドの給油所に、150 kWh以上の出力の急速充電器を最低1基設置することを義務付ける法案が可決されたばかり。ガソリン車への給油のようにEVを短時間で充電できる急速充電器のニーズは、世界各国で膨らんでいます。ちなみに、ドイツの公共EV充電器の数は、2024年4月時点で約11万5000基、うち急速充電器は約2万2000基となっています。
国内においては、東京都が「ゼロエミッション東京戦略」において「2030年までに急速充電器を1000基整備すること」と掲げてはいるものの、現在、150kW以上のCHAdeMO充電器は東京都に9カ所20口、全国でも82カ所133口の設置に留まっています※1。また、テラチャージが急速充電器を設置したコジマ×ビックカメラ足立加平店がある足立区では、経済産業省が推奨している90kW以上の高出力の急速充電器は4口しか設置されておらず※2、150kWの急速充電器に関しては、今回が足立区初の設置となりました。
テラチャージは、急速充電器初設置に伴い、発表時のものから充電器のデザインを一新。駐車場内で高い視認性を発揮しつつ、様々な設置場所に調和するカラーを採用しました。テラチャージはこの急速充電器を、2024年度内に100基(口)設置する予定です。
また、今回急速充電器を設置したコジマ×ビックカメラは、顧客の利便性向上やEV普及のための環境整備を推進。さらに、家電に関する悩み事に自宅へ出張して対応する「くらし応援便」サービスに使用している車両にもEVを導入するなど、自社のGHG排出量の削減にも注力しています。
2024年6月3日にコジマ×ビックカメラ 足立加平店の駐車場で実施されたEV急速充電器の除幕式において、テラチャージ急速充電事業部の上野学部長はEV充電器設置における両社のシナジー効果について語りました。
「店舗にお買い物に来たついでにEVを充電できる。逆に、EVを充電しに来たついでにお買い物をする。といった形で、EV充電器設置により、両者がお客様に提供するサービスの向上を目指していけると考えています。2050年に向けてEVのみでカーボンニュートラルは達成できませんが、EVなしでは達成できないと考えます。EVの普及に向けてEV充電インフラの整備を今後も推進してまいります」
6月4日には、コジマ×ビックカメラ高井戸東店においても急速充電サービスを開始。今後もテラチャージは、コジマ×ビックカメラ店舗への充電器設置を進めていく予定です。
※1.2、2024年5月28日時点の設置数(EV充電スポットサイトGoGoEV調べ)