遂にポルシェ カイエンがEVに、ハイブリッド・内燃機関モデルも継続して展開
ポルシェは、人気SUV「カイエン」の次世代モデルを完全電動(BEV)化すると発表しました。20年以上にわたりポルシェの主力モデルとされてきたカイエンが、マカンに次いでEVのラインナップに加わります。
過酷な条件下の実車テストで高品質な電動化を追求
ポルシェCEOのオリバー・ブルーメ氏は、「カイエンは常にセグメントのスポーツカーを定義してきました。2020年代半ばには、第4世代が電動SUVとしてセグメントの基準を設定します」と自信を見せています。この発言からも、ポルシェが次世代カイエンに込める意気込みが伝わってきます。
新型EVカイエンは、ポルシェが誇るプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)の発展型を採用。800ボルトアーキテクチャによる高速充電が可能となり、長距離ドライブの利便性も大幅に向上する見込みです。
現在、カモフラージュを施した次世代モデルのプロトタイプが世界各地で実車テストを開始しており、発売までに数百万キロにも及ぶ走行テストが予定されています。過酷な気候条件や地形での走行も含め、ポルシェらしい高い品質基準をクリアするべく、入念な開発が進められています。
3種類のパワートレインで市場ニーズに対応
一方、ポルシェは2030年以降も、カイエンに3つのパワートレインオプションを提供し続ける計画を明らかにしました。今後10年間、BEVの第4世代モデルに加え、ハイブリッドモデルと内燃機関モデルも継続して提供されることとなります。
現行の第3世代カイエンについては、今後さらなる進化が予定されています。特にV8エンジンの効率改善に注力し、将来の厳しい環境規制にも対応できるよう技術的な対策が施されるとのことです。
ポルシェは2030年までに新車販売の80%以上を電動車にするという野心的な目標を掲げていますが、カイエンの電動化はこの目標達成に向けた重要なステップとなります。同時に、マルチパワートレイン戦略を維持することで、電動化への移行期における顧客の多様なニーズにも応えていく姿勢を示しています。