北米充電規格(NACS)の公式ウェブサイトが更新され、日産自動車が「COMING SOON」リストに新たに追加されました。
NACSによると、2024年から2025年にかけて、テスラの北米スーパーチャージャーネットワークが順次他の自動車メーカーに開放されていく予定。すでにフォードとリビアンのEVオーナーがテスラのスーパーチャージャー(SC)を利用できるようになっています。
今回の日産に加え、「COMING SOON」リストにはすでにGM、ボルボ、ポールスター、メルセデス・ベンツが名を連ねています。日系メーカーとして初めてNACSネットワークへの参加を表明した日産の動向は、他の日本の自動車メーカーにも影響を与える可能性があります。
日産にとっては、北米全域で1万5000台以上のテスラ・スーパーチャージャーへのアクセスが可能になることで、「Nissan Ambition 2030」で掲げる2030年までに米国でのEV販売構成比を40%以上にするという目標達成に向けた重要なステップとなります。
しかし、NACSの採用には課題も残されています。当初2024年春までに利用可能になるとされていたGM、ボルボ、ポールスターは、現時点でまだCOMING SOONリストに入ったままです。遅延の主な原因は技術的な問題にあるとされ、異なるメーカー間での互換性確保には綿密な調整と詳細なテストが必要です。
また、テスラが2024年5月に充電部門で大規模なレイオフを実施したことも遅延の一因として指摘されています。人員削減により、他社とのシステム統合に関する重要な知識や経験を持つ従業員が失われた可能性があります。
NACSの採用は段階的に進められ、初期段階では各自動車メーカーが提供するアダプターを使用し、最終的にはすべての新型EVにNACS充電ポートが標準装備される予定です。日産を含む「COMING SOON」リストに名を連ねる各社が、どのようなタイムラインで実際にNACSネットワークに参加できるのか、今後の動向が注目されます。