世界のEV市場(BEVとPHEVを含む)は、2024年11月に過去最高となる180万台の販売数を記録しました。EV調査会社Rho Motionの発表によると、前月の記録を10万台上回る結果となっています。
中でも中国市場は目覚ましい成長を見せ、11月の販売台数は約130万台に達し、10月の記録を5万台以上上回りました。2024年1月から11月までの世界全体の累計販売台数は1520万台となり、前年同期比で25%増となっています。
地域別に見ると、中国市場が970万台(前年同期比40%増)と圧倒的な存在感を示している一方、欧州連合(EU)、欧州自由貿易連合(EFTA)、英国市場は270万台(同3%減)と苦戦しています。米国・カナダ市場は160万台(同10%増)と堅調な伸びを維持し、その他の地域も110万台(同25%増)と好調に推移しています。
2024年1月から11月までのEVの累計販売台数
グローバル:1520万、+25%
中国:970万、+40%
EU&EFTA&UK:270万、-3%
アメリカとカナダ:160万、+10%
その他の世界:110万人、+25%
Rho Motionのデータマネージャー、チャールズ・レスター氏は「今四半期のEV販売は記録更新が続いていますが、地域による格差が顕著です。特に欧州市場の低迷が目立つ中、11月の世界販売の3分の2以上を中国が占めています」と述べています。
欧州市場では、英国が2024年のZEV義務化を控え17%の成長が見込まれているものの、ドイツ、フランス、イタリアなどの主要市場では減少傾向が続いています。また、欧州人民党グループが2035年までの内燃機関禁止政策の見直しを求めるなど、規制環境を巡る不透明感も出てきています。
中国市場では特にBEVの販売が好調で、ジーリー・オート(吉利汽車)、テスラおよび長安汽車などの主要メーカーが販売を伸ばしています。PHEVの販売も年初来でほぼ倍増するなど、全方位での成長が継続しています。
米国・カナダ市場では、次期大統領候補のドナルド・トランプ氏がバイデン政権下のEV税額控除制度の廃止を示唆したことから、年末にかけての駆け込み需要が指摘されてきました。また、ビンファストが新型EVのVF 9の納入を開始、テスラもサイバートラックの納入を開始するなど、新車種の投入も相次いでいます。
これらの2024年のEV販売数の好調が、どのように2025年のEV市場に影響を与えるか。今後の中国市場の動向も含め要注目です。