米国電気自動車(EV)メーカーのRivian(リヴィアン)社は、2024年第4四半期の納車実績が1万4183台となり、市場予想の約1万3500台を大きく上回りました。これにより、2024年通期の納車台数は5万1579台に達し、同社が設定していた5万0500台から5万2000台という目標を達成。2023年の実績である5万0122台をわずかに上回る結果となっています。
第4四半期の納車台数は前四半期比で40%以上の増加となり、2024年で最も高い四半期実績を記録しました。生産面では、同期間中に1万2727台を製造し、2024年通期では4万9476台を生産。これは同社が10月に下方修正した4万7000台から4万9000台という生産目標を達成するものとなっています。
同社は第3四半期に部品供給不足に直面し、当初掲げていた年間生産目標5万7000台を下方修正する必要に迫られていましたが、声明で「R1およびRCVプラットフォームで共有される部品の供給不足問題は既に解消された」と述べています。
4月にイリノイ州ノーマル工場で実施した設備アップグレード工事以降、同社はコスト削減を積極的に推進してきました。RJスカリンジCEOは11月、新規サプライヤー契約の締結や技術革新により、材料費の「意義ある削減」を実現していると発表しています。
収益面では、第3四半期の純損失が11億ドルとなり、前年同期の13億4000万ドルから改善しました。1台当たりの損失は約3万9000ドルと、前年同期の3万648ドルからは増加したものの、2022年第3四半期の13万9000ドル超から大幅な改善を示しています。
また、同社は独フォルクスワーゲンとの間で最大58億ドル規模の合弁事業を立ち上げており、スカリンジCEOは「意義のある財務的機会」と評価しています。第3四半期末時点での現金および現金同等物の残高は67億ドルで、このうち10億ドルはフォルクスワーゲンからの転換社債となっています。
同社は第4四半期での初の粗利益黒字化達成に向けて順調に進んでいると確認しており、部品供給問題の解消は、この目標達成に向けた重要な一歩となりました。詳細な財務結果は2月20日の市場取引終了後に発表される予定です。
第4四半期の実績発表後、同社株価は1月3日の時間外取引で10%以上上昇しました。ただし、過去1年間では依然として約30%の下落となっています。