中国の普及促進策が市場の成長を促進、世界EV販売数25%アップ
世界の電気自動車(EV)販売台数が2024年に1710万台に達し、前年比25%増を記録したことが分かりました。調査会社のRho Motionが発表した最新データによると、特に中国市場が前年比40%増の1100万台と大きく伸長し、世界市場の成長を牽引しています。
中国の下取り支援策がEV市場を後押し
中国政府は2024年末に期限を迎えた自動車下取り支援策の2025年継続を決定しました。2022年にEV購入補助金が終了して以降、これが中央政府による唯一のEV普及促進策となっています。
新制度では、古い内燃機関車(ICE)やEVを廃車にして新しいEVを購入する場合、最大2万元(約42万円)の補助金が受けられます。また、2.0リッター以下のICE車への買い替えの場合は最大1.5万元(約31.5万円)が支給されます。
対象車両も2024年から拡大され、ICE車は2012年6月以前に登録された国4排出基準以下の車両(前年は国3排出基準以下)、EVは2018年12月以前に登録された車両(前年は2018年4月以前)が対象となりました。
また、実際に廃車にせず中古車市場で売却する場合でも補助金を受けることができ、EVへの買い替えで最大1.5万元、ICE車への買い替えで最大1.3万元が支給されます。2024年の実績では、制度開始から半年間で400万件以上の申請があり、200万台以上の車両が下取りされています。
2024年グローバル市場での地域別EV販売実績
2024年EV販売実績を地域別でみると、最大市場の中国が1100万台を記録。特に12月は単月で130万台を超える販売を達成し、月間記録を更新しました。一方、EU・EFTA・英国市場は300万台(前年比3%減)、米国・カナダ市場は180万台(同9%増)となっています。
中国工業情報化部は、2026年以降の新エネルギー車販売比率目標として、2026年に48%、2027年に58%という具体的な数値を示しており、下取り支援策と合わせて、今後も中国市場が世界のEV市場を牽引していく見通しです。
一方、欧米市場については、補助金政策の変更や規制の行方により、2025年は転換点を迎える可能性があります。特に米国では、環境保護庁(EPA)の排出基準やEV税額控除の見直しが予定されており、市場への影響が注目されています。
メイン画像:2024年に合計50万台の車両を販売した理想汽車(Li Auto)が同年3月に発売したミニバン「MEGA」