シャオミ(Xiaomi)は、2025年2月27日、SU7シリーズの最上位モデルとして開発されたフラッグシップEV「SU7 Ultra」を、52万9900人民元(約1100万円)からという価格で正式発売しました。

SU7 Ultraはプロトタイプと同じトリプルモーター構成とトラック最適化された高出力バッテリーパックを採用し、最大出力1548PS、0-100km/h加速はわずか1.98秒(ワンフットロールアウトなし)を実現しています。現在の量産4ドアセダンとしては世界最速で、最高速度350km/hを達成しています。
エクステリアデザインでは、SU7 Max をベースにエアロダイナミックキットを追加。SU7 Ultraのボディサイズは、全長 5115mm×全幅 1970mm×全高 1465mm、ホイールベース 3000mm となっています。


2基のV8s eモーターと1基のV6s eモーターというトリプルモーター構成は、シャオミが自社開発したHyperEngine V8sの初の量産化となります。HyperEngine V8sは最大回転数2万7200rpmを実現し、現在量産されている主駆動eモーターの中で最も高回転かつ最もパワフルなものの一つとされています。

バッテリーに関しては、SU7 UltraはCATL Qilin 2.0バッテリーを初めて採用。最大放電レート16C、最大放電電力1330kWを実現する最もパワフルな量産バッテリーパックとなっています。電力が20%しか残っていない状態でも、放電電力は800kWに達します。最高充電レートは5.2Cで、10%から80%までの充電はわずか11分で完了。CLTC航続距離は630kmに達し、高性能と長距離走行を両立しています。

SU7 Ultraはニュルブルクリンク北コースで2周連続走行してもオーバーヒートしないよう最適化された冷却システムを備え、通常のEVの3倍の放熱能力を持っています。また、100km/hから0までのブレーキ距離はわずか30.8mというトップレベルのブレーキシステムと、ニュルブルクリンク北コースでチューニングされた最高レベルのシャシーシステムを搭載し、工場出荷時からサーキット走行に対応しています。
標準版のSU7 Ultraに加え、「レーシングパッケージ」と「ニュルブルクリンク北コース限定版」などのオプション構成も発表されました。これらは、SU7 Ultraの量産モデルがニュルブルクリンク北コースでのラップチャレンジを完了した後に正式に提供される予定です。
SU7 Ultraは、上海国際サーキットでの量産車最速記録(2分09秒944)と、中国国内の3つの主要サーキットで4ドア量産車最速記録を樹立しています。シャオミEVは今後も技術革新を追求し、ニュルブルクリンク北コースでの検証・最適化を行う予定。SU7 Ultraの量産版は今年中に同コースに正式挑戦する計画となっています。

SU7 Ultraは、発売日である2025年2月27日に、わずか10分で6900台以上の注文を受け、2時間という短時間で年間目標の1万台に到達しました。さらに3月3日には、注文台数が1万9000台に達したと発表されています。





