クロアチアの電動ハイパーカーメーカー、リマック・オートモビリは、新型「ネヴェーラR」が24の世界記録を樹立したことを2025年7月10日に発表しました。同車は0-400-0km/h(0-249-0mph)加速において25.79秒を記録し、従来記録を2.04秒上回りました。
記録測定はドイツのオートモーティブ・テスティング・パーペンブルク(ATP)施設で実施され、デヴェソフト社による独立検証を受けています。ネヴェーラRは先代モデルのネヴェーラが保持していた全ての記録を更新し、市販車として史上最速の加速性能を達成しました。

リマックは、同リリースにおいて18カテゴリーのネヴェーラRの新記録を発表。主要記録では、0-60mph加速は1.66秒(先代比0.08秒短縮)、0-100km/h加速は1.72秒(同0.09秒短縮)を記録しました。高速域では0-200km/h加速で3.95秒(同0.47秒短縮)、0-300km/h加速で7.89秒(同1.33秒短縮)となっています。
特に注目される0-400km/hまでの加速時間は17.35秒で、先代から3.96秒の大幅短縮を実現しました。最高速度は431.45km/h(268.2mph)に達し、市販EV最高速度記録を更新しています。
性能向上の要因として、同社は包括的な再設計を挙げています。新開発の空力パッケージは固定式リアウイングと拡大されたディフューザーを採用し、ダウンフォースを15%増加させながら空力効率を10%向上させています。

タイヤには新たにミシュラン・カップ2を装着し、アンダーステアを10%軽減、横方向グリップを5%向上させています。これらのタイヤ性能を最大化するため、次世代オールホイール・トルクベクタリングシステムが専用キャリブレーションされています。
ネヴェーラRは2107馬力を発生する4つの独立モーターを搭載しています。リマック独自のトルクベクタリングシステムにより、毎秒100回の頻度で各輪への動力配分を計算・調整し、リアルタイムでトラクションと性能を最適化する仕組みとなっています。
ネヴェーラRは世界限定40台が生産され、価格は230万ユーロ(約3.9億円)から。2023年に先代ネヴェーラが同施設で23の世界記録を樹立したことに続く成果で、リマックは電動ハイパーカー分野での技術的優位性を示しています。

創設者兼社長のマテ・リマック氏は「ネヴェーラRは快適性と実用性を維持しながら、さらなる性能向上を実現した」とコメントしています。同氏は「記録を破ることは我々のDNAであり、ここで止まることはない」と述べ、今後も性能向上に取り組む姿勢を示しています。
先代ネヴェーラは既に市販EV最高速度記録(256mph/412km/h)やニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでの電動市販車ラップ記録(7分05秒298)を保持しており、今後、ネヴェーラRがこれらの記録更新にも挑戦する可能性があります。
コチラが新型「ネヴェーラR」が0-400-0km/h加速において25.79秒の世界記録を樹立した映像です。