国連欧州経済委員会(UNECE)は、ドライバーの監視なしで公道を走行できる自動運転車の配備を可能にする世界規制案を採択しました。10年にわたる技術開発と2年間の集中協議を経て、安全性と革新性を両立させる規制の枠組みが整いました。
2026年2月6日のUNECEのプレスリリースによれば、今回採択された規制は、自動運転車の安全性を検証する統一的な手法を導入しています。特に注目されるのが「セーフティケースアプローチ」の採用です。これは自動運転システムが安全であることを体系的に実証する方法論で、各国が独自に開発していた断片的な規制を統一します。
規制案は5つの主要要件を定めています。安全管理システム(SMS)の監査と認証、テスト環境と手法の信頼性要件、セーフティケースによる安全性の実証、運用中の監視と報告(ISMR)の義務付け、そして自動運転データ記録システム(DSSAD)の搭載です。DSSSADは航空機のブラックボックスに相当し、事故調査や安全性向上に活用されます。
米運輸省は2026年1月、規制案に対するパブリックコメントの募集を開始しました。中国、日本、欧州各国も今回の規制案を歓迎しており、早期の実装が期待されます。
日本では国土交通省が世界規制に準拠した道路運送車両法の改正を検討しています。特に物流業界への影響が注目されます。深刻なドライバー不足に直面する日本では、自動運転トラックの実用化が喫緊の課題です。また、高齢化が進む地方部での移動サービスとしても、自動運転車の需要が高まると予想されます。
規制案は2026年6月のWP.29会合で正式に採択される予定です。採択後は規制が即座に発効します。世界統一規制の採択により、安全で信頼性の高い自動運転社会の実現が近づいています。

