EV充電サービス「テラチャージ」を展開するテラチャージ株式会社は2026年8月27日、日本国内で2028年度から北米充電規格「NACS(North American Charging Standard)」に対応したEV充電器を正式採用すると発表しました。2033年度末までに全国で累計2500口を設置する計画で、同社の国内自社インフラの約3〜4割がNACS対応になる見込みです。
NACSは、テスラが開発し北米で事実上の標準となったEVの充電規格です。日本では、テスラのほかに、マツダが2027年からの対応を表明しています。

設置は2028年度から、商業施設や幹線道路沿い、宿泊施設などへ順次進めます。あわせて同社は、宿泊施設やマンションなど長時間駐車する場所で使う基礎充電・目的地充電に向けて、NACS対応の普通充電器の開発検討も開始しました。急速充電器に加えて普通充電器でもNACSに対応するもので、早期のプロトタイプ発表と市場導入を目指すとしています。
対応の狙いは、充電ケーブルを接続するだけで認証から課金までが自動で完了する「プラグアンドチャージ(Plug and Charge)」への備えです。同社は自動車メーカー各社からの需要が本格化すると見込み、アダプターを使わずに充電と決済が完結する環境を先行して整備する考えです。急速充電器と普通充電器の双方でNACSに対応することで、スマートフォンや会員証などを取り出す手間のない充電体験の提供を目指すとしています。
同社は8月15日にも、2030年度末までに基礎充電用コンセント8万口、経路充電用の急速充電器5000口、目的地充電用の普通充電器2万口の計10万5000口を整備する目標を発表しています。政府が掲げる2030年までに30万口という目標の約3分の1にあたる規模です。自宅や集合住宅での基礎充電、高速道路や幹線道路での経路充電、商業施設や宿泊施設での目的地充電を個別ではなく一体で整備する方針を示しており、今回のNACS対応はこの整備計画における規格面の対応にあたります。

国内に設置されている充電器は、経済産業省の資料「最近の自動車政策の動向と充電インフラ」(2026年6月2日)によると約6万8000口。政府は2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%とする目標を掲げる一方、集合住宅で充電できない、外出先の充電器が少ない、長距離移動に不安があるといった課題は残っています。同社は自治体や不動産事業者、マンション管理組合などとの連携を通じて整備を進めるとしています。
同社は既存のCHAdeMO規格など国内の主要規格に対応した充電器の拡充も継続し、1台で複数の充電規格に対応できる充電器の開発・導入も視野に入れるとしています。

