高級車メーカーのジャガーは2024年12月3日、同社の電動化戦略を象徴する新型コンセプトカー「タイプ00」を、米国マイアミで実施されているアートの祭典「マイアミ・アートウィーク」で世界初公開しました。新たなクリエイティブ哲学「Exuberant Modernism(はち切れそうなモダニズム)」を具現化した同モデルは、従来のEVの常識にとらわれない大胆なデザインで注目を集めています。
タイプ00の最大の特徴は、23インチの大径ホイールと長いボンネット、流麗なファストバックスタイルを組み合わせた独創的なプロポーションです。フラッシュサーフェスの新しいフロントフェイスには、ブランドのアイデンティティを示す新しいデバイスマークを配置。グラスレスのテールゲートとパノラミックルーフは、彫刻的な造形美を演出しています。
また、ボディサイドには手作業で仕上げられた真鍮製のインゴットが埋め込まれ、必要に応じて展開するリアビューカメラを内蔵。充電ポートやフロントエアインテークも同様に、使用時のみ姿を現す仕組みとなっています。
ボディカラーは、マイアミのアールデコ建築にインスピレーションを得た「マイアミピンク」と、同社の英国のルーツを表現した「ロンドンブルー」の2色を用意。
バタフライドアとパンタグラフ式テールゲートを開くと、室内は、真鍮、トラバーチン、ウール素材を贅沢に使用。3.2メートルにおよぶ真鍮のスパインが室内を貫き、フローティング式の計器パネルを分割する斬新なデザインを採用しています。さらに、乗員の気分に合わせて内装の雰囲気を変化させる「プリズムケース」も搭載。真鍮、トラバーチン、アラバスターの3つのトーテムを使い分けることで、照明やサウンド、画面表示、香りまでもがカスタマイズされます。
ジャガーは2025年後半、このコンセプトを受け継ぐ4ドアGTの量産EVを発表する予定です。新開発の専用プラットフォーム「JEA」を採用し、WLTPモード最大770km、EPAモード最大692kmの航続距離を実現。また、急速充電では15分で最大321kmの走行距離を確保できるとしています。
エイドリアン・マーデルCEOは「Eタイプのような感動を呼ぶモデルを再び生み出す。その道のりは既に始まっている」とコメント。新型車の生産は英国で行われ、パリの高級ファッション街区には新たなブランドストアもオープンする予定です。