トヨタ自動車、MONET Technologies、豊栄交通、スタジオジブリの民間企業4社と愛知県は、トヨタ自動車が開発した電動低速モビリティ「APM(Accessible People Mover)」を活用し、愛・地球博記念公園(長久手市)内において、スタジオジブリの映画『となりのトトロ』に登場するネコバスをイメージしたEV車両を、2023年度内に運行開始することに合意しました。
今年2月に協議を開始し、車両の意匠・造形や運行方法などの課題について関係者で協議を重ね、トヨタ自動車とスタジオジブリによる試作車の製作や、MONET Technologiesを運行・運営主体とする事業スキームにおおむね見通しが立ったことから、2023年9月11日に基本合意書を締結。今後は、各種契約の締結や豊栄交通による運営スタッフの募集など、実現に向けた準備を更に本格化させていきます。
名古屋市に隣接しながら、194ヘクタールという広大な面積と豊かな自然を誇る愛・地球博記念公園は、昨年11月のジブリパーク開園以来、平日でも多くの来園者で賑わっており、公共空間におけるモビリティサービスの新たな可能性を見出す場として、最適な環境を有しています。
民間企業4社の企画提案に基づき、公園内の移動をより楽しく、快適にするソリューションを提供することで、愛・地球博記念公園の更なる魅力向上に資するとともに、多くの人に笑顔を届けられる有益なサービスの創出につなげていくことが今回のEV ネコバス運行の計画です。
基本合意書の主なポイント
(1) APMネコバス運行の目的
○ 多くの来園者で賑わう広大な愛・地球博記念公園内の移動をより楽しく、快適にするソリューションを提供する。
○ 愛・地球博記念公園全体の魅力向上に資する。
○ 公共空間におけるモビリティサービスの新たな可能性を見出す。
(2) 役割分担
愛知県
○ 公園施設としてトヨタ自動車からAPMネコバスを賃借する。
○ 運行に必要な本公園内の環境を整える。
○ MONET Technologiesに対し、行政上の許認可手続を関係法令に基づき行う。
トヨタ自動車
○ APMネコバスを愛知県に賃貸する。
○ 運行に伴い必要な保守管理を行う。
MONET Technologies
○ APMネコバスの運行主体・運営主体として、豊栄交通とともにAPMネコバスを運行する。
豊栄交通
○ APMネコバスの運転業務を中心にMONET Technologiesを補助し、MONET TechnologiesとともにAPMネコバスを運行する。
スタジオジブリ
○ APMネコバスの製作、運行及び広報活動に必要な意匠の提供並びに監修を行う。
(3) 運行ルート
○ 各当事者で別途協議して決定する。
注)歩行者との交錯を避けるため、一般の公園利用者が利用していない「外周通路」の一部区間(箇所は未定)における運行を検討中。
(4) 運行開始目標及び運行期間
○ 2023年度内の運行開始を目指すものとし、それ以降、2025年度にかけてを運行期間とする。
2 事業スキーム図
APMネコバス(試作車)
APMネコバスのベースとなる「APM(Accessible People Mover)」
トヨタ自動車が開発した短距離・低速型EV。3列シートで、1列目が運転席、2列目が3人掛け、3列目が2人掛けの計6人定員。車いす利用時には、2列目の折り畳みが可能。全長約3.9m×全幅約1.6m×全高約2.0m。最高速19km/h。
写真提供;トヨタ自動車
今後の想定スケジュール
2023年9月下旬以降 運行スタッフ募集開始
2024年3月上旬 プレ運行開始
3月中旬 本格運行開始
出典:愛知県リリース「【知事会見】愛・地球博記念公園において「APMネコバス」を運行することに合意しました」