シトロエン(Citroen)のシティコミューターEV「アミ(Ami)」の限定特別仕様「マイ・アミ・バギー( My Ami Buggy)」が、6月20日火曜日午前11時から、8カ国でオンライン発売されました。販売サイトへのアクセス数は 2万件を超え、 販売された 800 台が10 時間で完売。本国フランスでは半数以上の割り当て分が、わずか2時間強で完売したのです。
「アミ」はフランスでは14歳、そのほか多くの欧州の国においては、講習さえ受ければ16歳から運転免許なしで運転できる「クワドリシクル (四輪自転車=quadricycle)」と呼ばれる超小型車両規格のシティコミューター。最近では、EVが増えてきている「クワドリシクル」は、日本で注目され始めている「超小型モビリティ」と同ジャンルです。免許を取る前の学生や免許を返納した高齢者などが運転できることで、欧州では商用車やマイカーとして「クワドリシクル」は大人気。最高速度は時速45km/hまでと制限されているので自動車専用道路や高速道路などでは使用ができませんが、1〜2人乗りの超小型車なので、交通渋滞の緩和にも期待をされています。
11カ国で販売されているシトロエンの「アミ」は、2020年4月の発売以来、すでにヨーロッパで約35万5000台以上の販売を記録しています。全長2410mmの超小型なので扱いやすく、シンプルな220Vソケットで4時間で充電できて、価格は7990ユーロ(約126万円)から1万490ユーロ(約166万円)。「アミ」のヒットには、使いやすく普段使いができる、手頃な価格の電動モビリティに対する欧州のニーズが伺えます。
「アミ」の特別仕様車の「マイ・アミ・バギー」は、2022年6月にフランスでウルトラリミテッドシリーズが50台販売され、17分28秒で売り切れとなり話題を呼びました。
今回は、2023年に発売される新しい限定仕様の「マイ・アミ・バギー」1000台のうち、800台がフランス、イタリア、スペイン、ベルギー、ポルトガル、英国、ルクセンブルク、ギリシャで販売されました。フランスでは、430 台が 2時間強で完売し、ピーク時には 1 時間あたり 300 台が売れました。ベルギーでは、同国に割り当てられた65台がわずか9分で完売。フランスで2022年に50台を販売するのに要した17分28秒を上回りました。
スペインでは、ある顧客がオンライン購入プロセス全体を最速で完了する記録を達成。彼が 「マイ・アミ・バギー 」を購入するのにかかった時間は、なんと 1分 10秒。2022年 にウルトラリミテッドシリーズが販売された際、「注文確認→配送方法選択→支払い」までの作業を最速でこなし、シリアルナンバー1を獲得した顧客の記録が 2分 53 秒、これを、1分43秒も短縮したのです。
「マイ・アミ・バギー」の限定シリーズの特徴は、より自由な感覚で余暇を楽しむことができ、自然と一体化するための「ドアなし、屋根なし」です。今回は、悪天候からは乗員を守るために、取り外し式のプラスチック製ドアカバーと、ジッパー付きで開閉可能な防水性ファブリックのソフトトップが追加されました。
ステアリングホイールの中央には、日常の小さな物を保管するための取り外し可能なバッグを装備。また、脱着式のBluetoothスピーカー「Ultimate Ears Boom」は、音楽の喜びをどこにでも簡単に持ち運べます。
カーキ色の外装色と、強化されたバンパー、スキッドプレート、ヘッドランプベゼル、ホイールアーチ、ロッカーパネル、リアスポイラーなどの黒く統一された冒険的な外観が自由を体感させてくれる、クワドリシクル「マイ・アミ・バギー」のボディサイズは、全長2410mm、全幅1390mm、全高1520mm。EVパワートレインのモーターは最大出力8.2hp。バッテリーは、蓄電容量5.5kWhのリチウムイオンがフロア下に配置されていて、1回の充電で最大70kmまで走れます。シトロエンによると、この航続距離は「クワドリシクル」の都市部ユーザーの1日平均移動距離を上回っているとのことです。
2023年に入手可能な1000台のうち残りの200台は、夏期間、トルコ、モロッコなどの小売店で販売される計画で、今回、販売された800台の「マイ・アミ・バギー」は、9月上旬からの納車予定です。