EVcafeで考える 第10回
by がす
こんにちは、がすです。
ついに、新型モデル3(通称ハイランド)が9月1日より日本で発売開始となりましたね!
ギガ上海で9月から生産開始という噂があったので、新型モデル3がお披露目になる前にと思い、下記の記事を書いていて……。
「テスラは新モデル3「ハイランド」で何をやろうとしているのか?「ハイランド」の正体教えます!」
8月29日に掲載できて間に合った!と思った3日後に、まさか日本で9月1日発売とは予想外でした。色々とスペック情報などはニュースでも出ておりますが、実はまだ分からないことだらけの新型モデル3について、ちょっとマニアックな視点から注目ポイントに迫りたいと思います!
まず前回の記事にあった価格ですが、中国では12%ほど高い価格で発売されました。これは新モデルということで多少高くても売れるため、テスラは価格を下げていませんが今後、中国内での価格競争に勝てるようなコストダウンができており、値下げできる余力を残しているのだと思われます。
さて、先ほど実はまだ分からないことだらけの新型モデル3と書きました。早くも海外の有名YouTubeを中心に発売前の試乗レビューが出ていますが、テスラ側から色々制限がかけられているのではないかと想像できます。例えばボンネットのフランクを外して機械の中身を見せるのはまだNGなはずで、そういう情報はまだ公開されていません。そういう気になる点をピックアップしていきます。
●センターカメラはどうなるのか?
現行のモデル3にはバンパー下にセンターカメラはありません(全テスラ車にありません)。ところが、これが当初テスラが公開したホームページの動画で確認されていました。しかし、その後、ホームページ上でそのカメラはこっそり消されました。
©︎ X(Twitter) @chazman
これは一体どういうことなのでしょうか?このフロントバンパーの真ん中下の新しいカメラの追加ですが、これは実はサイバートラックには付いています。
©︎ X(Twitter) @tesla_raj
サイバートラックは、当時カメラではなく、何かのセンサーじゃないかという声もありましたが、最近のサイバートラックの路上テストのリーク写真で、このセンターカメラからの映像が車内のモニターに映っていることが分かりほぼ間違いないだろうという見方になっています。
©️ X(Twitter) @greggertruck
サイバートラックだけ付いている理由は不明ですが、テスラは完全自動運転(FSD)用に搭載する新コンピューターHW4(ハードウェア4)での自動運転を更に良くするために、カメラを強化、改善しており、その一環ではないかと思われています。(とはいえ、HW4の新型モデルS、Xにはありません。)そのフロントバンパー真ん中の新カメラが、リリース直後のテスラ公式ページの新型モデル3にもあったのです。それが消されました。
理由は不明です(笑)。可能性としては、このホームページ用に撮影されていた新型モデル3のプロトタイプ? には、センターカメラが付いていたのかも知れません。その間違いが話題になって気がついたテスラが慌てて消したのかも知れません。あるいは納車されたら実際はカメラが付いているかも知れません!
●ハンドル横のシフトレバーは無くなり、物理ボタンは頭上のバックミラーのところにギアセレクターボタンが!
今回の新型モデル3は新型モデルSやXと同じように、シフトレバーが無くなりセンターディスプレイから操作するのはご存知の方も多いと思いますが、さらにテスラ中国のリリースによると、一応物理ボタンも用意されており、その場所は頭の上のバックミラーのそばに、パーキングやドライブのギアシフトのボタンがあるそうです。頭上とは、なんとも驚きの場所ですね。
テスラ中国のリリースより
●ベンチレーテッドシートについて
今回の新型モデル3の目玉のひとつは「ベンチレーテッドシート」が搭載されていることです。シートに空気を送り込んで体感温度を下げるシートクーラー機能です。冬用にシートヒーターは以前から付いていましたが、ベンチレーテッドシートは逆に体感温度を下げて、結果的に夏場の車内エアコンの使用を減らすことができるため、更に効率的にバッテリーを使うことができるようになるという印象です。
新型モデル3の「ベンチレーテッドシート」は、以前からモデルSに付いていたものと同じかも知れませんし、さらに進化しているものかも知れません。テスラは2019年に“Vehicle seat with an integrated temperature-control system“(統合温度制御システムを備えた車両用シート)の特許を更新しており、新しいシステムは、冷却剤を使用して必要に応じてシートを加熱または冷却し効率的な電力使用でシートを冷却できるそうですが、こういう新技術が搭載されたら嬉しいですね。
https://ppubs.uspto.gov/pubwebapp/static/pages/landing.html
●テスラのエンブレムがTESLAのロゴ(文字)に変更
テスラジャパン公式サイトより
以前のTエンブレムの方がシンプルで良かったという人もいるようですが、「テスラ」であることが、背面から分かりにくいということがあります。テスラの主戦場のひとつ、中国で、テスラと似たようなデザインのEVを競合が発売する可能性もあるわけで、「TESLA」とはっきり記してブランドを明確にすることは、いいマーケティング戦略ではないかと思いました。今回の車内アンビエントライト(色を変えたり、そもそもOFFにもできます)や、フロントの外装デザインそのものも中国人の好みを意識している気がします。
●パフォーマンスモデルのない理由は?
本来スポーティーさが売りのモデル3の新型では、なぜ人気の「パフォーマンス」モデルが用意されず、「RWD」「LR(ロングレンジ)」という、タイヤやサスペンションによる乗り心地、静かさ重視の乗用車ライクのキャラに寄せられているか? 疑問ですよね。
わたしはその理由として落ち着いたらテコ入れのサプライズで「モデル3 Plaid」が出るからという大胆な予想をTwitterでしましたが、
そんな矢先に、「新型モデル3ハイランド・パフォーマンスは、第4四半期にギガ上海で発表予定」という噂が流れています。
冷静に考えるとPlaidモデルは3個のモーターを搭載してるわけで、かなりハードルが高いかも知れません。新型モデル3のバッテリーはCATL「M3Pバッテリー」採用と以前に書きましたが
「CATL「M3Pバッテリー」採用で、テスラ新型モデル3ハイランドがより快適で豪華に?」
パフォーマンスモデルは、よりパワーがある違うバッテリーを使うため、その調整に時間がかかっているというところが本当の理由でしょう。
新型モデル3を買うなら、見える角度で色が変わる新色の「ウルトラレッド」に「ホワイト」の内装の組み合わせで19インチホイール。このスポーツカーライクなセレクトならば、やはりパフォーマンスモデルがいいなとか。そんな妄想が広がる新型モデル3! デリバリーが待ち遠しいですね!
EVcafeでは気になるテスラの「新モデル3ハイランド」についても引き続き、独自の視点でも追いかけていきますのでお楽しみに!
テスラジャパンのモデル3公式ページ
https://www.tesla.com/ja_jp/model3
がす(来嶋 勇人)
福岡県出身。(株)ファミリーマートのマーケティング本部でアプリやコーヒーのパッケージを作っていたが早期退職。無職になりテスラでハローワークに通い見つけた会社に入社。そこでゼロからスタートし、そこの関連会社の社長に抜擢され就任。現在はECやアニメーション事業を行っている。
プライベートでは2024年からイーロン・マスクの公式パロディアカウント(フォロワー140万人)からオファーをもらいイーロン・マスク(パロディ)公認のAIデザイナーとなり、ハイクオリティなAI画像をイーロン・マスク(パロディ)に提供中。そのメールをやりとりしているイーロン・マスク(パロディ)はイーロン・マスク本人だと思っている。
Xではイーロン・マスク、テスラ、AI、EV、自動運転、スペースXの最新ニュースを発信中です!
https://twitter.com/Gusfrin92486024