2023年9月末、米国オハイオ州トレドに本拠地を置く大手ピザチェーンの「マルコズ・ピザ」は、ラストワンマイル(※)配送における課題解決のため、マグナ・インターナショナルと提携し、完全自動運転のEVデリバリー導入に向けた試験を開始したと発表しました。
※ラストワンマイルとは、エンドユーザーに商品を届ける物流の最後の区間のこと。ECの拡大により、宅配サービスの取扱量が急増する中、ラストワンマイルが大きな課題となっています。
マグナ・インターナショナルは、世界で第4位のモビリティテクノロジー企業です。両社は、北米の特定地域にあるフランチャイズ加盟店と契約し、さまざまな配送オプションをテストする予定で、より低コストで環境に優しい専用の配送ソリューションを提供することになっています。
マルコズ・ピザの代表取締役副社長で、最高情報責任者のリック・スタンブリッジ氏は、「最大のピザブランドの一つとして、私たちは顧客のニーズを満たしながら、フランチャイズ加盟店のビジネスを前進させるイノベーションに投資する。マグナ・インターナショナルとの戦略的協力により、事業を拡大し、顧客満足度を向上させる予定だ」と話しています。
こうした自動運転配送ロボットの導入は、ヨーロッパや北米各地でどんどん広がりを見せています。自律型ロボットキャリアの開発において、特に成長著しいのはエストニアのClevon社。2020年に公道で無人車両を走行させたヨーロッパ初のライセンス企業となるなど、自動運転配送業界のリーディングカンパニーといえる存在です。
同社が開発した次世代型の自動運転配送ロボット「CLEVON1」は、DHL Express EstoniaやリトアニアのスーパーマーケットIKIなど、すでにさまざまな企業に自動配送サービスを提供しています。
今年6月には、ClevonとファストフードのKFC(ケンタッキー・フライド・チキン)エストニア、フードデリバリープラットフォームのFudyの3社の協働により、タリン市内で「CLEVON1」によるKFCのデリバリーが試験的にスタートしました。
ドライバーを必要としない「CLEVON1」は、1人の遠隔オペレーターが同時に10社の配送会社を監視できるため、配送コストが大幅に削減されるだけでなく、ドライバー不足の課題解決にも大きく貢献できると注目を集めています。
出典:MARCO’S PIZZA®、Clevon