開催中のジュネーブ国際モーターショーにおいて、ルノーのルカ・デミオCEOは、ヨーロッパ向けの小型EVの生産において、フォルクスワーゲン(VW)と提携の話し合いを行っていることを明らかにしました。ヨーロッパの自動車メディアが伝えています。
ヨーロッパの自動車メーカーは、安価なEVで市場を席巻する中国メーカーに負けないよう、内燃エンジンモデルと同等の価格帯でEVを提供することを急いでいます。
ルノーは2023年11月に、トゥインゴのEVモデルを早ければ2026年に発売する計画で、目標価格は2万ユーロ以下だと発表しました。この時ルノーは、トゥインゴのパートナー候補として複数の自動車メーカーと交渉中であると述べましたが、具体的な名前や時期については明言を避けています。
今回のジュネーブモーターショーで、デミオCEOはルノーとVWがトゥインゴのプラットフォームを共有する可能性について「交渉の初期段階にある。いい話し合いをしている」と述べました。また、他のパートナーとも話しているとつけ加えています。
VWの乗用車ブランドCEOのトーマス・シェーファーは、新たな小型EVの価格を2万ユーロ以下に抑えるためのパートナーシップに前向きだと語っています。
先行するステランティスは、2万5000ユーロ以下のEV、シトロエンE-C3を発売したばかりで、航続距離の短いバージョンは2万ユーロ以下で発売される予定です。
ルノーのデメオCEOには、小型車での成功事例があります。イタリアン・ブランドを率いていたときには、モダンでレトロなスタイルのフィアット500を成功させました。ルノーCEOに就任する前は、VWグループのセアトブランドのトップを務めています。
CO2排出量規制の強化と安全規制の強化により、多くのブランドが小型車市場から撤退している中、デメオCEOは「小型車を採算の取れる形で生産できるところはない」とジュネーブで語りました。
しかし、電気ドライブトレインに切り替えることで、コストを管理することができれば、自動車メーカーは最小セグメントに戻るチャンスがあると、デメオCEOは考えています。
ルノーは、部品の削減、製造期間の短縮、市場投入の迅速化、より安価なバッテリー材料の組み合わせにより、新型EVトゥインゴのコストを現行のEVと比べて最大40%削減することを目指しているとのことです。