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BMW「1シリーズ」を若者向けEVに転換。「i1」の名称で若年層市場開拓の切り札に

 BMWが、若者市場を攻略すべく大胆な一手を打ち出しました。その切り札となるのが、人気シリーズのEV化です。英米の自動車メディアが伝えています。環境への配慮と手頃な価格を両立させた新しい1シリーズのEVは、自動車市場に新たなパラダイムシフトをもたらすかもしれません。

 BMWは、若年層にアピールする戦略の一環として、1シリーズと2シリーズを電気自動車(EV)へと進化させることを発表しました。これらの新モデルは、それぞれi1とi2という名称で展開されます。現在ミュンヘンの開発拠点で準備が進められており、従来のガソリンモデルと並行して市場に投入される予定です。

 BMWの製品・ブランド管理責任者であるベルント・ケルバーは次のように語っています。「我々の目標は、若い世代との絆を深め、あらゆる市場で成長を遂げることです。そのためには、利益率が低くても、若い顧客を獲得し、特定市場でBMWブランドを育てるための重要な役割を果たすモデルが必要なのです」

 BMWの製品責任者も、この戦略の重要性を強調。特に、すでにBMWグループの一員であるミニブランドが、若年層市場開拓において大きな役割を果たしていることを指摘しています。

 新たなEVモデルの基盤となるのは、BMWが2023年9月に発表した次世代プラットフォーム「ノイエ・クラッセ」。このプラットフォームは、現行モデルと比較して航続距離を30%延長し、充電速度を30%向上させ、さらに効率を25%改善するという画期的な性能を誇ります。

 BMWのオリバー・ツィプセCEOは、今後24か月以内に「ノイエ・クラッセ」をベースとした6つのEVモデルを発売する計画を明らかにしました。これらには様々な車種が含まれ、SUVやセダンなど、多様なニーズに応える幅広いラインナップが予定されています。

BMWのオリバー・ツィプセCEOとNeue Klasse
BMWのオリバー・ツィプセCEOとノイエ・クラッセ

 BMWのEV版1シリーズとなるi1の発売は2027年に予定されており、その翌年にはi2が続きます。これらのモデルは、前輪駆動および四輪駆動に対応するNBxプラットフォームを採用する最初の車種となります。

 興味深いのは、ライバルメーカーの動向です。メルセデス・ベンツが2026年にAクラスの生産を終了すると発表したことで、BMWにとっては市場シェア拡大の絶好の機会が訪れています。この隙を突いて、BMWは電動1シリーズで若年層市場を席巻する狙いです。

 BMWの「ノイエ・クラッセ」セダンは2025年にデビューし、その後すぐにSUVモデルも登場する予定。この新プラットフォームを軸とした製品展開は、単にBMWだけでなく、自動車業界全体に大きな影響を与える可能性がありそうです。

メインカット:EV化が予定されているBMW1シリーズの最新エンジンモデル「M135 xDrive」(2024年10月欧州発売予定)

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