充電サービス

GMのEVオーナー、テスラの充電ネットワークをいまだに利用できず

 2023年、バイデン政権はアメリカで最大かつ最も信頼性の高い充電ネットワークを誇るテスラのスーパーチャージャーを、他社製EVにも開放すると画期的な発表を行いました。これを受けて、フォード(Ford)やゼネラルモーターズ(GM)を含む多くの自動車メーカーが、テスラの充電コネクター規格である北米充電規格(NACS)の採用を次々と決定。EVの充電インフラ問題に大きな転機が訪れたかに見えました。

 実際に、テスラ以外では既にフォードとリヴィアン(Rivian)のEVオーナーがテスラのスーパーチャージャー(SC)を利用できるようになっており、ユーザーからは高い評価を得ています。両社のEVオーナーは全米に張り巡らされたテスラのSCを利用でき、長距離走行時の利便性が大幅に向上しました。

 しかしながら、2024年春までに利用可能になるとされていたGM、ボルボ、ポールスターのEVオーナーは、6月の時点でいまだにテスラのSCを利用できていないことが明らかになりました。フォーブスなどのメディアが伝えています。

 GMの広報担当者によると、遅延の主な原因は技術的な問題にあるとのことです。EVの充電システムは非常に複雑で、異なるメーカー間での互換性を確保するには綿密な調整と詳細なテストが必要。特に、安全性と効率性を担保しつつ、異なる車種間での充電速度の最適化などは容易ではないようです。

 また、テスラが2024年5月に充電部門で大規模なレイオフを実施し、事実上この部門を閉鎖したことも遅延の一因として指摘されています。人員削減により、他社とのシステム統合に関する重要な知識や経験を持つ従業員が失われ、適切な引き継ぎが行われていない可能性があるとの懸念が業界内で広がっています。

 この状況を受け、GM、ボルボ、ポールスターのEVオーナーからは不満の声が上がっており、各社は早急な対応を迫られています。一方で、テスラ側の対応も注目されており、今後の展開が業界全体から注視されています。

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