世界における5月のEV販売は130万台以上、その内訳は？

　2024年5月、世界の電気自動車（EV）市場は成長を続け、新たな記録を樹立しました。EVの世界的な登録台数は、一部の市場での減速にもかかわらず拡大を続けています。

　WebメディアINSIDE EVによると、2024年5月に世界中で132万台以上の新規EVが登録され、市場シェアは約20%に達しました。これは前年同期の16%から大きく上昇しています。

　その中で純電気自動車（BEV）は約87万4000台（前年比17%増）が登録され、13%の市場シェアを獲得。一方、プラグインハイブリッド車（PHEV）は、約45万台（前年比37%増）が登録され、7%の市場シェアとなりました。

　地域別の動向では、中国市場が世界のEV総販売の60%以上を占め、5月には前年比33%の成長を遂げました。一方、ヨーロッパ市場は10%の減少を示し、米国とカナダは前年比で18%増加しました。メキシコ、チリ、マレーシアは2倍、ブラジルは3倍など新興市場では急激な成長が見られました。

2024年5月 世界のEV登録台数

グルーバルEV販売、モデルとブランドのトップ10とは？

　2024年5月のグローバル車種別販売数では、テスラモデルYが引き続き世界で最も売れているモデルの座を守りました。しかし、その新規登録台数は8万9120台で、前年比6%の減少となっています。

EV世界販売5月のトップ10モデル（新規登録台数）
1：テスラモデルY – 8万9120台
2：BYD宋（Song）– 6万3371台 (BEV: 1万5409台、 PHEV: 4万7962台)
3：BYD秦（Qin）Plus – 4万9294台 (BEV: 1万7113台、PHEV: 3万2181台)
4：テスラモデル3 – 4万5051台
5：BYDシーガル- 3万6323台
6：BYDATTO3 – 3万2806台
7：BYDデストロイヤー05 – 2万5140台 (PHEV)
8：BYD漢（Han） – 1万8048台 (BEV: 1万145台, PHEV: 7903台)
9：アイオンY – 1万7506台
10：アイト M9 – 1万6462台 (BEV: 1738台, PHEV: 1万4724台)

　ブランド別の販売動向では、BYDが圧倒的な強さを見せています。5月のトップ10ブランド（販売台数）は以下の通りです。

EV世界販売5月のトップ10ブランド（新規登録台数）
1：BYD – 31万4760台
2：テスラ – 14万683台
3：BMW – 4万5615台
4：SAIC-GM-Wuling – 3万9849台
5：フォルクスワーゲン – 3万8210台
6：リー・オート – 3万7017台
7：アイト – 3万2507台
8：ボルボ – 3万2166台
9：アイオン – 3万759台
10：ジーリー – 2万9663台

　BYDは5月に31万4760台を販売し、2位のテスラの2倍以上の販売台数を記録しました。テスラは純電気自動車のみを提供しているにもかかわらず、強い販売実績を維持。BMWの3位は多くの専門家にとって驚きであり、伝統的な高級車メーカーがEV市場で強い存在感を示しました。

　2024年の最初の5カ月間で、世界中で560万台以上のEVが登録され、これは総自動車販売量の約17%を占めています。その内訳は、BEVが約360万台で市場シェア11%、PHEVが約200万台で市場シェア6%となります。両車種で売り上げが好調だったBYDは、2024年の最初の5カ月で既に100万台以上を販売した唯一のブランドとなりました。

2024年1月〜5月　世界のEV登録台数

　過去数年間のEVの市場シェアの推移は、2020年が4% 、2021年が9%、 2022年が14% 、2023年が16%、 2024年：17%（1月〜5月の記録、年間予測は18〜19%）

　2023年には、約1370万台のEVが登録されていて、この成長率を踏まえると、2024年の年間登録台数は1500万から2000万台に達する可能性があると予測されています。リサーチ会社カウンターポイントの調査によると、2024年中にBEVの世界販売は1000万台に到達すると予想されています。

　今後のEV販売加速の展望としては、新興市場でのEV普及、バッテリー技術の進歩、充電インフラの整備状況、各国の環境規制や補助金政策の変更、従来の自動車メーカーのEV戦略などが注目されています。

　メインカット提供元：Tesla, Inc.