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2024年、EVcafe が選んだ「テスラ10大ニュース」を発表します!

2024年 テスラ10大ニュース

 2024年、テスラは新モデルの発表からFSD(自動運転)、エネルギー事業まで、実にさまざまなジャンルで目覚ましい進歩を遂げました。そこでEVcafeでは、テスラ系インフルエンサーとして有名な「がす」さんを迎え、編集長の駒井とともに2024年の「テスラ10大ニュース」をセレクトしました。以下、ランキングで振り返ります。

10位 テスラ蓄電事業好調 

 テスラは、2024年第2四半期、メガパックとパワーウォールの導入量が9.4GWhという記録的な数値となり、エネルギー事業が大きな成長を遂げました。パワーウォール3は米国から英国、カナダ、ドイツへと販売地域を広げています。エネルギー貯蔵システムの需要が世界的に高まる中、テスラの蓄電池ビジネスは好調な成長を持続。自動車販売に減速が見られる中、エネルギー部門が新たな収益の柱となりました。

がすさん「エネルギー事業の成長は、テスラが単なる自動車メーカーではないことを示していますね」
駒井編集長「蓄電池の好調は、今年の決算の重要ポイントでしたね。ギガ上海にも蓄電池のために新たな工場を作っています」
(以下敬称略)

9位 充電インフラの拡大とV4スーパーチャージャー日本上陸 

 テスラは2024年10月17日、静岡県の遠州森町PAに日本初のV4スーパーチャージャー(SC)を導入。2014年の六本木へのSC国内初設置から10周年で121カ所(600基)目の施設となりました。V4は充電ケーブルが3メートルに延長され、シンプルなボックスデザインと機能アップデート対応が特徴。現在、世界で6万基を展開するSCは、2023年以来、コンビニのファミリーマート等でも積極的に展開されるなど、日本国内でも広がりを見せています。

がす「私がファミマ出身ということもありますけど、コンビニ初のファミマとのSC提携は大きいですね。特に自宅充電ができないユーザーにとって重要です。BYDでもヒョンデでも、購入するときに躊躇うのはやはり充電じゃないですか。でもテスラにはSCがあるので不安がない」
駒井「早く日産リーフとかもSCで充電できるようになればいいですね。SCの評価はもっと高くていいと思います」

8位 新色クイックシルバー追加

 テスラは2024年、新色クイックシルバーの日本展開を本格化。4月にモデルYで導入した液体金属のような独特のテクスチャーを持つこのカラーを、7月4日からモデル3にも展開し始めました。クイックシルバーのオプションの価格は、両モデルとも26万9000円(税込)。

駒井「私は、昨年モデル3ロングレンジのステルスグレーを購入したのですが、このたびクイックシルバーのパフォーマンスに乗り換えました。実際に納車されてみると、写真で見ていたギガベルリンのクイックシルバーとは違う色だなと思いましたね。思ったより陰影が少なくて、あれって感じ。ただ、知人には評判がいいです。ステルスグレーに比べると汚れも目立ちにくくて実用的です」

がす「クイックシルバーは今までにない明るいシルバーでいいですね。シルバーだと反射するからFSDに影響があるので、テスラでこの色は出ないという噂もあったのですが、普通に出たということは問題がなかったようですね」

7位 モデル3ハイランド パフォーマンス発売 

 テスラは2024年4月24日、新型モデル3の最上級グレード「パフォーマンス」を日本で発売開始。0-100km/h加速3.1秒、最高時速262km/h、航続距離610kmという驚異的なスペックを実現し、イーロン・マスクは「ポルシェよりも速い」と自信を示しました。2023年11月から国内販売されていたRWDモデルとロングレンジモデルに続く展開で、納車は6月以降に始まりました。

がす「新型モデル3のパフォーマンスは、昨年の発売当初のロングレンジと比較するとお買い得な価格※でしたね。確か駒井さんも購入されたんですよね」
駒井「ええ。北米での価格を見て、日本は1000万円ぐらいするのかと思っていたら、この値段だったのですぐにポチりました。パフォーマンスモデルは、インセインモードの加速が本当に凄い。前後でタイヤサイズも違っていて、リアが275mmとすごく太いんです。フロントは235mmなのでローテーションができません。パンクだけはしないでくれと祈りながら運転してます(笑)」
※新型モデル3のパフォーマンス:725万9000円から。ロングレンジ:日本国内発売当は651万900円から、パフォーマンスが発売された4月24日に621万9000円に価格変更

6位 サイバートラック 日本初公開と全国ツアー 

 テスラは2024年2月15日、サイバートラックを日本で初公開。チームラボプラネッツ TOKYO DMMでの展示を皮切りに、関東、東海、関西、九州での展示ツアーを開催しました。

 米国で2023年11月末からデリバリー開始されたサイバートラックは、デュアルモーターAWD(600hp)とサイバービースト(845hp)の2モデルを展開。全長5.7m、全幅2.2mの大型ボディにステンレススチール製パネルを採用し、独特な三角形状のキャビンが特徴。

がす「新宿サザンテラスでの展示はすごかったですよ。車なのに人だかりができて、未来から来たような存在感でした。確かにあのデザインが唐突に出てきた時には衝撃はありましたね。発表の時に絶対量産できないと言われていたものを、今では普通に作っている。しかも最先端の技術をちゃんと使っていてすごい」
駒井「私は豊洲のチームラボに見に行きました。昨年イーロン・マスクが日本に来たとき、息子を連れて遊びに行ってた場所だったので、自分が遊びに行って、そこを展示場所に決めてるという。何てマルチタスクなんだろうと思いましたね(笑)。昨年、サイバートラックの販売が始まった時の一番の印象は、値段が高い! 2019年の発表当初は500万円ほどで買えるっていうから、1万5000円払って予約したのに……話がちがいますよね。現状では日本導入は無理っぽいですが、形を多少イジれば日本でも発売可能かもしれないという噂です」

5位. テスラボット大進化 

 人型ロボット「Tesla Bot(オプティマス)」はテスラのEVと同じAI技術を活用し、10月のイベント「We, Robot」ではダンスやサービスを披露。
 米国では2026年から3万ドル(約450万円)以下での一般販売が予定されています。日本国内では2024年11月30日に、Tesla Botの展示を開始。さいたま新都心と心斎橋の2店舗で、全長176cm、重量63kgの実物大モックアップが公開されました。

がす「テスラボットの日本上陸は少し残念でしたね。モックじゃなくて動くものを連れてきてほしかった。サイバーキャブの発表会で、遠隔もあったかもしれないけどきちんと動いていたじゃないですか、あれが見たかったですね。テスラボットの課題は、スピードと処理ですね。あとはFSDと一緒で学習していくことになります。現段階では、会話までは難しそうですね」
駒井「私の家は、側溝に枯れ葉が大量に貯まるんですよね。それを掃除するのがすごい重労働。オプティマスが掃除をしてくれるのなら、絶対に欲しい。草刈りとか雪かきとかに使えるのなら、買う人も多いと思います」

4位 中国ギガ上海の生産台数記録更新

 テスラのギガ上海は2024年9月28日、輸出用モデル3の生産台数が100万台に到達。記念すべき100万台目は英国向けとして上海南港埠頭から出港しました。
 ギガ上海はテスラ最大の生産拠点で、約30秒に1台の生産スピードと95%超の部品現地調達率を誇ります。モデル3とモデルYを生産し、中国国内のほか、日本を含むアジア太平洋地域とヨーロッパに輸出。
 さらに、隣接地では年間1万台・40GWh規模のメガパック工場を建設中で、2025年第1四半期の操業開始を予定しています。

駒井「ギガ上海の生産量は世界一。日本もそうですけど、モデル3やモデルYのヨーロッパ、オーストラリア、イギリスなどの右ハンドルのものは全てギガ上海で作って、世界中に供給している。生産量は半端ない。バッテリーパックもあそこで作るように拡張している。一度行ってみたい工場ですね」

がす「そのバッテリーパック工場の新しい上海メガファクトリーが異常に早いスピードで作られているようで、そのテスラのマシンをつくるマシン……製造工場の技術も進化していますね」

3位. FSDバージョン13の一般公開 

 テスラが2024年12月18日にFSD V13.2.1を、初めてアーリーアクセステスター以外のユーザーにも配信を開始しました。このアップデートはHW4ベースの全モデルとサイバートラックに展開され、パーキングからのFSD開始(アンパーク)、リバース走行、目的地での自動駐車機能が主な新機能として追加されました。目的地を選択して「FSD開始」ボタンを長押しすることで自動運転が開始され、3点ターンも可能になりました。

がす「12月にFSDのバージョン13を社外にも展開したというところは大きかったですね。サイバーキャブの発表のときよりもバージョンが上がって、どんどん良くなっています。そして、ギガテキサスには、スーパーコンピュータのクラスターが増強されましたので、今後もエンドツーエンドでどんどん進化します。ただ、現段階ではスーパーの駐車場などには駐車できるけれど、家のガレージなどに自動駐車することはできないなど、まだ課題はあるようです」
駒井「FSDの進化は本当にすごかった。13.2は本国で、使った人みんなが“マインドブローイング”だって言うぐらいの進化を遂げましたからね。最近のテスラ株価の高騰は、FSD13の出来が良いことで起こっている気さえします。これで、テスラがサイバーキャブを本気でやるんだというのが裏付けられましたね」

2位 テスラ株価、過去最高に 

 ドナルド・トランプ氏のアメリカ大統領選勝利後、テスラの株価が急騰し、11月8日には、時価総額が2年半ぶりに1兆ドルを回復。その後も上がり続け12月11日には、424ドル77セントとなり3年ぶりに過去最高値を記録。同日、株価上昇とスペースX(企業価値3500億ドル、最大12億5000万ドルの株式取引に合意)の好調もあり、イーロン・マスク氏の資産は4000億ドルを突破しました。

がす「トランプ効果もあって株価は連騰しましたね。14%も上がった日もありました。時価総額が1兆ドルを回復したのは大きな出来事でした」
駒井「株価の上昇は、年初来で70%以上という驚異的なレベル。サイバーキャブ発表とFSD13.2の評価が高かったことが大きいと思います。市場がテスラの技術力を認めた形ですね」

1位. サイバーキャブ発表「We, Robot」開催

 テスラが2024年10月10日、ロサンゼルスで「We, Robot」イベントを開催し、待望のロボタクシー(サイバーキャブ)を初公開しました。シルバーメタリックの2ドア車両は、完全自動運転を想定しており、ステアリングやペダル類は搭載されていません。シザードアを採用し、2人乗り、コードレス充電に対応。価格は3万ドル以下で、2026年から生産開始予定です。
 同イベントでは20人乗りの自動運転EVバン「ロボバン」も披露。人型ロボット「オプティマス」がバーテンダーとしてデモンストレーションを行いました。

がす「テスラの2024年最大のニュースは、やはりサイバーキャブの発表『We, Robot』でしたね。このロボタクシーは、2026年からカリフォルニアとテキサスでの運用開始が予定されています」
駒井「日本の法律を考えると、国内での実現はまだ先になりそうです。なので、個人的には、噂のコンパクトEV『モデルQ』の方が期待ですね」
がす「当初は『サイバーキャブにハンドルを付けてモデルQにするのでは』という予想もありましたが、それは違うようです」
駒井「テスラのデザイナーのフランツ・フォン・ホルツハウゼンも言及していましたが、サイバーキャブのシートは自動車の運転席ではなく、完全に移動空間のソファとして設計されています。このEVにステアリングを後付けする発想はないでしょうね」
がす「ロボタクシービジネスの実現に関しては、テスラは遠隔操作のサポート体制も現在整備中のようなので、まだ時間がかかるかもしれないです」
駒井「将来、日本でも無人のロボタクシーが展開されて、飲み会の後に自宅までサイバーキャブで帰れる日が待ち遠しいです(笑)」

10大ニュース番外編:キム・カーダシアンとテスラボット

 米セレブのキム・カーダシアンが、テスラのサイバーキャブと人型ロボット「オプティマス」との写真をSNSに投稿し話題に。3億5900万人のインスタグラムフォロワーに向け、オプティマスとの交流シーンを公開しました。
 過去のステマ問題から疑惑が浮上しましたが、広報担当者は「3万ドルのロボットとの撮影に報酬は一切なし」と説明。カーダシアンはイーロン・マスク氏と親交があり、サイバートラックのオーナーでもあります。

がす「キム・カーダシアンとテスラボットのツーショットは、マーケティング的に面白かったですね。テスラがわざわざオプティマスをゴールドにし彼女に持っていって、あえて艶かしい写真を撮らせたというのは、刺激的でエンタテインメントな世界観。あえてそういう方向性で攻めていくところが、テスラらしいアプローチでした」
駒井「オプティマスとのツーショットなんて誰も撮っていなかったから、インフルエンサーのキム・カーダシアンも飛びつきますよね。彼女はサイバートラックも2台目を購入したというぐらい、テスラに夢中のようですから」

【2024年 テスラ10大ニュース 対談ゲスト】

がす(来嶋 勇人)

 福岡県出身。(株)ファミリーマートのマーケティング本部でアプリやコーヒーのパッケージを作っていたが早期退職。無職になりテスラでハローワークに通い見つけた会社に入社。そこでゼロからスタートし、そこの関連会社の社長に抜擢され就任。現在はECやアニメーション事業を行っている。プライベートでは2024年からイーロン・マスクの公式パロディアカウント(フォロワー240万人)からオファーをもらいイーロン・マスク(パロディ)公認のAIデザイナーとなり、ハイクオリティなAI画像をイーロン・マスク(パロディ)に提供。そのメールをやりとりしているイーロン・マスク(パロディ)はイーロン・マスク本人だと思っている。TikTokでは、「Elon Musk’s Mars Food」が計500万再生でバズり中。

Xでは以下のアカウントでイーロン・マスク、テスラ、AI、EV、自動運転、スペースXの最新ニュースを発信。

がすAIデザイナー(イーロンマスクパロディ公認)

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