米アルファベット傘下の自動運転車開発企業Waymoは、ニューヨーク市での自動運転車テスト許可を取得し、全米最大都市への本格進出に向けての一歩を踏み出しました。
Waymoは2025年6月19日、公式X(旧Twitter)アカウントで「ニューヨーク市交通局(NYC DOT)に対して、専門スタッフが運転席に同乗した状態での自動運転車の運行許可を取得した」と発表。来月からニューヨークでの活動を本格化させる意向を示しています。
今回の許可取得は、ニューヨーク市で初の自動運転車テスト配備となります。当面は訓練を受けた専門スタッフが運転席に座る有人運転での運行となりますが、これは同市の複雑な交通環境での自動運転技術実証に向けた重要なステップです。
現在、ニューヨーク州法では人間の運転手なしでの自動運転車の運行は禁止されていますが、Waymoは「将来的にニューヨーカーにサービスを提供したい」との目標を掲げ、完全自動運転配車サービスの実現に向けて州法改正も積極的に働きかけています。

米国CNBCによると、Waymoは現在、全米各都市への積極的な展開を進めています。同社のライドヘイリングサービス「Waymo One」は、フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルス、テキサス州オースティンの4都市で週25万回以上の有料自動運転タクシーサービスを提供しており、2026年にはアトランタ、マイアミ、ワシントンD.C.での完全自動運転サービス開始を予定しています。
実は、Waymoにとってニューヨークは全く初めての土地ではありません。同社は2021年にもニューヨーク市で車両テストを実施した経験があります。この際は人間が実際に運転し、データ収集と氷雪路面での運転技術向上を目的としていました。同社は、この試験により、人口密集地域における凍結や積雪状況での運転性能を向上させることができたとしています。
今回の許可取得により、世界でも有数の交通量と複雑な道路環境を持つニューヨーク市での自動運転技術の本格的な実証が始まります。完全自動運転サービスの実現に向けた今後の展開が注目されます。
