2024年4月、米国アリゾナ州の州都フェニックスで、Uber Eats(ウーバーイーツ)が自動運転配達をスタートさせました。利用する車両は、米Google系列の自動運転車開発企業Waymo(ウェイモ)の電気自動車です。
Waymoとライドシェア最大手のUberは、昨年5月に配車・配達分野における長期的なパートナーシップを締結。11月にはフェニックスで、Uberアプリを利用したWaymoのロボタクシーの配車が可能になっていました。
ロボタクシー配車に続くロボットフードデリバリーとは、どのようなものなのでしょうか。まず、注文はこれまで通りUber Eatsのアプリから。注文が確定すると、画面に「自動運転による配達の可能性があります」というメッセージが表示されます。これまでのように配達員に届けて欲しい場合は、「ロボット配達を希望しない」を選択すればOKです。
ロボット配達を利用する場合は、到着した車両のトランクをスマートフォンでロック解除し、商品を受け取ります。ただし、配達はあくまでも自動車が通行できる場所まで。つまり、オフィスや集合住宅の個々の部屋まで届けてくれるわけではないので、エントランスで車を出迎える必要があります。もちろん、商品を一時的にフロントに預かってもらうということもできません。
ロボット配送の導入がUber Eatsなどの供給側にとって、人件費を削減できたり、配送が効率化されたり、属人化が解消できたり、様々なメリットが得られることは容易に想像がつきます。ですが、私たち利用者が自動配送ロボットを選択するメリットはあるのでしょうか。
米国の場合、真っ先に挙げられるのが「チップの節約」です。ファストフードでは必要ないものの、それ以外ではデリバリー利用であっても送料に加え、配達員に商品代金の10〜20%程度のチップを渡すのが相場です。これが不要となれば、かなりお得。また、人と「非接触」の受け渡しになることで、無用なトラブルを回避できるということも大きなメリットでしょう。
一方、EV関連のWEBニュースサイト「Electrek」が独自の見解として語っている通り、現状1台のガソリン車で複数の届け先にルートで配達するのと比べて、1台の自律型電気自動車が1世帯もしくは1グループに1食分届けることの渋滞への影響や消費エネルギーの効率性には疑問が残ります。さらにUber Eatsでの1食の配達よりは、ネットスーパーなどでの購入に、こうしたロボット配送が導入されることを願っている人も多いでしょう。
まずは様子見といったところですが、WaymoによるUber Eatsのデリバリーは、現在チャンドラーやテンピ、メサなどフェニックスの都市圏に含まれる街でもスタートしており、その普及具合に注目が集まっています。
メインカットは、アリゾナ州フェニックスで始まったWaymoとUber Eatsのパートナーシップイメージ(写真:Waymo)
出典:Electrek ”Your food delivery may show up with nobody driving, starting today”