フランスで2026年9月に登録された乗用車のうち、バッテリーEV(BEV)の比率が41.91%に達し、月間の過去最高を更新しました。乗用車のおよそ5台に2台がBEVとなった計算で、シェアは1年前のほぼ倍です。フランスの電動モビリティ推進団体アヴェール・フランスが10月8日に発表しました。
9月のBEV乗用車の登録台数は6万5641台で、プラグインハイブリッド車(PHEV)の乗用車シェアは6.6%でした。フランス自動車プラットフォーム(PFA)の速報値では、9月の乗用車の新車登録台数は全体で15万6629台、前年同月比11.6%増と、市場全体も拡大しています。1〜9月の累計では、BEVが38万7345台でシェア31.4%となり、前年同期の18.3%から大きく伸びました。ガソリン車は13.7%、ディーゼル車は2.4%にとどまっています。
9月のBEV登録台数の上位5モデルは次のとおりです。
1位 テスラ モデルY (8184台)

2位 ルノー5 (5266台)

3位 ルノー トゥインゴ(5005台)

4位 プジョーE-208(3278台)

5位 ルノー セニック(2742台)

上位5モデルのうち4モデルをフランス車が占めました。ルノー5は前年同月比で約2倍に伸びています。2026年春に発売された新型トゥインゴは、発売から半年足らずで累計1万4000台を超えました。
首位のモデルYは、BEVだけでなく全体でもトップでした。「Tesla Mag」の記事によると、モデルYはエンジン車やハイブリッド車を含む全パワートレインの登録台数でも9月の首位となり、2位のプジョー208(全パワートレイン合計で7860台)を上回りました。ブランド別では、テスラが前年同月比61.86%増の9038台を登録し、シェアは5.77%でした。
BEVが伸びた背景には、価格面と制度面の要因があります。フランスの業界団体「アヴェール・フランス」は、最大の要因としてEVの経済的な魅力が高まったことを挙げています。9月の販売上位モデルは、新型トゥインゴを除いていずれも2025年以前から販売されていたモデルです。新型車の効果だけでなく、既存モデルの需要そのものが伸びているとしています。
制度面では、低所得世帯向けのEVリース支援制度「ソーシャル・リース」が後押ししています。3回目となる今回は2026年7月16日に受付が始まりました。1人当たりの課税所得が1万6880ユーロ(約300万円)以下の世帯を対象に、車両価格の29%(上限6500ユーロ)を補助し、月額リース料を税込200ユーロ(約3万5000円)に抑えます。納車は昨年の10月より早い7月から始まり、これまでに3万5000件を超える契約が結ばれています。
法人需要も大きな柱です。9月のBEV乗用車の購入者のうち個人は41.33%で、残りの約6割を法人やリース会社が占めました。社用車への課税強化を背景に、企業が保有車両の電動化を進めていることが需要を押し上げています。さらに、省エネ証書(CEE)制度で支援対象となる低所得世帯の範囲を、所得の下位30%から下位50%に広げる省令案も示されています。アヴェール・フランスは、これが今後の需要をさらに押し上げる可能性があるとしています。
マクロン大統領は10月12日、開幕初日のパリモーターショーを視察しました。大統領府(エリゼ宮)は、電動化を国内の自動車市場と生産の回復を支える原動力と位置付けています。大統領は同日、自身のXに投稿し、9月にフランスで販売された車の40%以上がBEVだったことに触れました。そのうえで、今後の重点分野の一つとして電動化と再工業化の加速を挙げています。投資計画「フランス2030」を通じてイノベーションへの投資と産業の再生を進め、脱炭素化と雇用の創出を両立させてきたとしています。会場では自動運転車をテーマにした円卓会議も主宰し、今後はこの分野にも取り組みを広げる方針を示しました。
パリモーターショーでのマクロン大統領による自動車電動化加速に関する声明

