by テスラ365日 @Tesla365days
北米におけるサイバートラックの納車が迫っているせいか、最近、路上を走るサイバートラックの目撃写真がSNSを賑わせています。2019年11月の、鉄球でガラスを割ってしまった衝撃のアンヴェイルイベントから間もなく丸4年。もうすぐ、完成したサイバートラックが颯爽と公道を走り回る姿が見られそうです。
そんなサイバートラックのプロトタイプを筆頭に、新型ロードスターや歴代のテスラ車。その車体に積まれているバッテリーからオプティマスまで、テスラが作っているものをまとめて展示している展覧会が開かれているのをご存知ですか? ロサンゼルスのピーターセン自動車博物館で、2023年10月22日まで行われる「INSIDE TESLA: SUPERCHARGING THE ELECTRIC REVOLUTION」です。さっそく、展示のハイライトをご紹介しましょう。
ピーターセン自動車博物館は、その建物が見えてきただけで超アガります。自動車専用の博物館で、1994年のオープン。常設展には各国のスーパーカーや昭和のレトロな日本車、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で使用されたデロリアンなどなど300車以上が展示されています。休日は家族連れなどで賑わっており、大人気の観光スポットです。
初めて見るアメリカ車や、ヨーロッパの懐かしの名車の数々をチラ見しつつ、テスラのコーナーを目指します。階段からアプローチすると、いきなりサイバートラックが現れます。
この見下ろす感じ、斬新です。こんな角度のサイバートラックはニュースなどでもあまり見かけません。昆虫でいうなら、セミみたいなイメージでしょうか。足を止めて、しばらく見入ってしまいました。
駆け足で巡る「INSIDE TESLA: SUPERCHARGING THE ELECTRIC REVOLUTION」展示案内
ここからは、取材時の写真で「INSIDE TESLA: SUPERCHARGING THE ELECTRIC REVOLUTION」のエキサイティングな展示の数々を紹介していきましよう。
テスラの工場で使っているKUKA製のロボットアーム
後方のパネルには「The Machine That Builds the Machine(機械が機械を作る)」という表記が見えます。テスラの工場を語るときに、イーロン・マスクがよく使うフレーズですね。
テスラのリチウムイオン電池
これは4680という新しいタイプで、直径が46ミリ、高さが80ミリのタイプ。この電池がテスラ車の床下にギッシリ積み込まれています。
DOJOのタイル
自動運転(FSD)を開発するテスラは、DOJOと名付けたスーパーコンピューターを使ってトレーニングを行っています。独自開発したD1チップのそれぞれに500億個のトランジスタが搭載され、362テラフロップスの処理能力を発揮するとのこと。……どんな速度なのか想像もつきません。
軌道に投入されたロードスターとスターマン(レプリカ)
2018年、スペースXがファルコンヘビーを打ち上げた際、ロケットに搭載されたのはイーロン・マスクのロードスターと、マネキン「スターマン」でした。このロードスターは太陽を回る周回軌道に投入されて、現在も宇宙を周回しています。NASAのデータベースにも、天体として登録されています。それと同じ赤いロードスターとマネキンが展示されています。
NASA仕様のモデルX
スペースXが有人宇宙飛行を行った際、宇宙飛行士を発射台まで運んだのはテスラ・モデルXでした。ドアにはNASAのロゴがペインティングされています。
オプティマス(プロトタイプ)
人型ロボット「オプティマス」のプロトタイプ。こちらは、2022年10月の「AIデイ」で披露されたバージョン。このロボットは身長178センチ、体重75キロで、最大時速8キロで走行しながら20キログラムを運べるように設計されています。
サイバートラック
サイバートラック、前方からのアングル。ドアミラーとワイパーは附属していません。やや腰高な印象ですが、サイバートラックはエアサスペンションを採用しているという噂です。
サイバートラック、後方からのアングル
レールを引っ張り出すと、バギー(サイバークアッド)が自走して荷台に収納できるようになります。
子ども用のサイバークアッド
サイバートラックの荷台にすっぽり収納可能。
ロードスター
2017年にトラック「セミ」と一緒にお披露目された新型ロードスターは、未だに納車が始まっていません。2024年には量産が始まるという噂ですが……。
2022 THIRD GEN. DRIVE UNIT
モデル3パフォーマンスなどに搭載されているドライブユニット。通称「3DU(THIRD GEN. DRIVE UNIT)」。説明パネルによれば、この第3世代のドライブ・ユニットは完全自動製造が可能で、工場での面倒な手作業を排除しているそうです。
ハイパーループの模型(ポッドスケールモデル)
テスラのロゴと、スペースXのロゴの両方があしらわれています。
スペースXがデザインした宇宙飛行士の制服
若田光一さんもこれを着てクルードラゴンに乗ってましたよね。
火炎放射器
byボーリングカンパニー。
ショーツ
S3XYとプリントされている。2020年に突然売り出したもの。2年以上にわたり、テスラは世界で最も空売りされた銘柄でした。2020年、テスラ株は記録的な水準まで上昇しましたが、同社株を空売り(=ショート)する人々へのユーモアを込めて、このショートショーツを販売しました。
ロードスターのモックアップ
ACプロパルジョンのEV「tzero」
ピーターセン博物館のテスラ展には、EVメーカーの草分け「ACプロパルジョン」のEV「tzero」も出展されています。これはめちゃめちゃ貴重です。イーロン・マスクもこの車に魅了されたひとり。マスクは「tzeroがなければテスラは存在しなかったか、もっと後になっていただろう」と述べています。
牽引しているのは、サブのバッテリーなのでしょうか? バッテリーの積載スペースが十分に確保できないのは想像つきますが、バッテリーを牽引するという発想はなかなか斬新ですよね。
スレッジハンマーと鉄球
サイバートラックのアンヴェイルイベントで、フォン・ホルツハウゼンがボディを叩いたハンマーと、窓ガラスに投げつけた鉄球。結果は、ご存知の通り、見事にガラスにヒビが入ってしまいました。その証拠写真も併せて展示されています。
モデルS エアロダイナミックディスプレイ
空力特性の最適化は、電気自動車の航続距離を伸ばす重要な要素です。モデルSの開発にあたり、テスラのデザイン・チームと車両エンジニアリング・チームは、空力的に優れたスタイリングを開発しました。
以上、駆け足で巡ったテスラ展の一部をご紹介しました。この展示は2023年10月22日まで開催中です。
サイバートラックのサイズ感と質感、ACプロパルジョンのレトロでエッジィなボディ、4680バッテリーのインダストリアルなテクノ感などなど、見どころはかなり豊富です。しかも会場はテスラ製のプロダクトのみならず、スペースX関連の展示や、ボーリングカンパニーの展示などもたくさん含まれていて、さながら「イーロン・マスク・ワールド」といった構成になっていました。
会場には家族連れも多く、サイバートラックの展示の横にいた親子が「サイバートラック好き?」「大好き。超クール!」みたいな会話を繰り広げていたのが印象的でした。チケットは19.95ドル(18歳〜62歳)など。週末は混雑するので、事前にオンラインで購入することをオススメします。
Petersen Automotive Museum ピーターセン自動車博物館 公式サイト
https://www.petersen.org/