日産自動車は、2023年11月24日、英国の日産サンダーランド工場で、欧州におけるカーボンニュートラルの実現に向けた世界初のEV生産エコシステムのプロジェクト「EV36Zero」計画を紹介。その際に、同工場で生産される3つのモデルのすべてが、今後、EVになることを発表しました。
![世界初のEV生産エコシステムプロジェクト「EV36Zero」](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/Nissan-EV36Zero-Overview-Infographic--2000x1166.png)
![サンダーランド工場](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/NMUK-Aerial-2.jpg)
「EV36Zero」計画の詳細に関しては、以下の記事をご覧ください。
日産がこの報告で発表した3つのEVとは、現在、日産のサンダーランド工場で生産されている「キャシュカイ」「ジューク」のEV版と「日産リーフ」の新型モデルです。では、これらは、どのような車なのでしょうか?
![日産のサンダーランド工場でEV版が生産される3つの人気モデル](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/EV36Zero-press-conference-1-2000x1230.jpg)
「キャシュカイ」
今回、EV化が発表された「キャシュカイ」は、日産がかつて日本国内でも販売していたコンパクトSUV「デュアリス」をフルモデルチェンジして、「デュアリス」販売終了後も欧州で販売されているオリジナル クロスオーバーです。2021年に発売された3代目はヨーロッパで初めてe-POWERを搭載したモデルで、2022年には英国で4万2704台を販売し、同国で最も売れた自動車となりました。
![オリジナル・クロスオーバー「キャシュカイ」](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/Qashqai-e-Power-TEKNA-.jpg)
「ジューク」
EV新モデルの生産が発表された2車種目の「ジューク」は、アイコニックな丸型のLEDヘッドランプが印象的なフロントデザインのハイブリッド。プロパイロットや車載WiFi、スマートフォンと連携可能なNissanConnectインフォテインメントシステムなど、多くの先進技術が採用され、コンパクト クロスオーバーの常識を覆すモデルとして100万台の販売台数を突破したヒットモデルです。
![コンパクト クロスオーバーの「ジョーク」](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/Nissan-Juke-HEV.jpg)
「日産リーフ」
そして3台目が、2010年に世界初の大衆市場向けの電気自動車として発売され、現在は約50カ国で販売されている「日産リーフ」です。世界中で65万台以上の売り上げを記録しているこのEVは、サンダーランド工場で25万台以上が生産されています。
![](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/2023-Nissan-LEAF-13-1200x800-1.jpg)
サンダーランド工場の新型EVに影響を与えた3つのEVコンセプト
今回発表された、これらの3つの人気モデルの新型EVは、日産が生み出した3つの次世代EVコンセプトモデルからインスピレーションを得ているといいます。そのうち2車種は先日のジャパンモビリティショー2023(2023年10月28日~11月5日開催)に向けて発表された、クロスオーバーEV「ニッサン ハイパーアーバン」とコンパクト クロスオーバーEVの「ニッサン ハイパーパンク」。そしてもう一つは、2021年に発表された「NISSAN CHILL-OUT」です。
では、これらがどのようなEVコンセプトなのかも紹介しましょう。
「ニッサン ハイパーアーバン」
「ニッサン ハイパーアーバン」は、2023年10月3日に発表されたEVのコンセプトモデル。ジャパンモビリティショーに向け発表された5種類のEVコンセプト中で一番最初に情報発信されたモデルで、環境や社会課題への意識が高く、アクティブに活動するドライバーに向けたクロスオーバーEVです。バッテリーに蓄えた電力を自宅や店舗、オフィスなどに給電することができるV2X(Vehicle-to-Everything)機能がついているこのEVは、V2Xを行う際、日産独自の制御コンセプト(Intelligent Charging Management System)が、クルマへの充電や建物への給電をAIによって自律的にコントロールして電力を効率的にマネジメントしてくれます。これにより、再生可能エネルギーの有効活用や電力のピークカットにも貢献できる次世代型のEVです。
![クロスオーバーEVのコンセプト「ハイパー アーバン」](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/10/230828_Nissan_Hyper-Urban_4k_02-2000x1125.jpg)
![「ニッサン ハイパーアーバン」は、V2X機能を搭載](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/10/230828_Nissan_Hyper-Urban_4k_04-2000x1125.jpg)
「ニッサン ハイパーパンク」
ジャパンモビリティショーに向けて発表されたもう一台は、2023年10月19日に発表され、ジャパンモビリティショーの日産ブースでも展示された「ニッサン ハイパーパンク」です。このコンパクトクロスオーバーは、コンテンツクリエイターやインフルエンサー、アーティストなどのスタイルとイノベーションを重視するドライバーが自己表現と創造性を高めることができるEVで、車内で過ごす時間をよりクリエイティブなものにしてくれるコネクティビティ技術が特長のコンセプトになっています。
![日産EVコンセプトカーの第四弾「ニッサン ハイパーパンク」](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/10/230828_Nissan_Hyper_Punk_Press_Photo_01-2000x1125.jpg)
![ジャパンモビリティショーの日産ブースでも展示された「ニッサン ハイパーパンク」](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/スクリーンショット-2023-11-29-0.31.49.png)
「NISSAN CHILL-OUT」
2021年に発表されたコンセプト「NISSAN CHILL-OUT」は、モダンで滑らかなデザインの中に、先進安全技術を搭載し、EVならではのワクワクするドライビングと、使い勝手の良い快適な室内空間を実現してくれる新しいモビリティです。2030年までに投入され、アリアのベースにもなるというEV用の「CMF -EV プラットフォーム」が搭載されることで高い快適性が生み出されます。
![モダンで滑らかなデザインのEVコンセプト「NISSAN CHILL-OUT」](https://evcafe.jp/wp-content/uploads/2023/11/NIssan-Futures_Venue1128-26-1200x800-2.jpg)
今回発表された人気の3車種のEV版が、この個性的な3つのEVコンセプトからインスピレーションを得ることで、どんな次世代型モデルとなるのか楽しみです。これらのモデルの名称、仕様、発売日などの詳細については、後日発表されます。