テスラのギガファクトリー・ベルリンは、インド向けの右ハンドル車を生産し始めました。2024年後半にインドへ輸出する準備をしており、世界第3位の自動車市場に参入すると見られています。
2024年の4月4日、ロイター通信が取材したテスラの関係者は「インドに割り当てられる右ハンドル車はすでに製造を開始しており、一部の車は年末までにインドに出荷される予定だ」と語っています。テスラがどのモデルをインドに輸出する予定なのかは現時点では明らかになっていませんが、現在はモデルYのみをベルリン工場で生産しています。
また、この人物は、非公開の計画として、テスラのチームが4月下旬にインドを訪問しインドの自動車製造工場の建設予定地を視察すると明かしました。テスラは、インドのギガファクトリーに約20億ドルを投資する予定のようです。
今回のテスラの投資計画には、インドの新しい輸入税率が影響をしているとの見方もあります。2024年3月インド政府は、外国の自動車メーカーに対し、少なくとも5億ドルを投資し、今後3年以内にインドで自動車の生産を開始するという条件で、輸入税率を引き下げると発表。現在インドでは、 4万ドル未満の車には60%、4万ドルを超える車には100%の輸入税が課されています。
新しいインドのEV政策では、企業は国内付加価値(DVA)を3年以内に最低25%、最長5年以内に50%に達成することが求められています。 DVA は、企業がインド国内で電気自動車を製造するために使用する国産部品の割合を指していて、これらの基準を満たす意欲のある企業は、インドに8億ドル以上を投資すれば、15%の輸入税軽減で年間最大8000台の電気自動車を輸入することが認められます。
インドのEV市場は小さいながらも成長しており、現在は国内自動車メーカーのタタ・モーターズが独占している状態です。 2023年には自動車販売全体に占めるEVの割合は2%でしたが、政府は2030年までに30%を目標にしています。