電動革命の波に乗る! EV株投資の秘訣 第19回
by じんべい
こんにちは、じんべいです。
早いもので、もうすぐ2024年が終わりますね。今年のテスラ株は絶好調。この記事を執筆している時点で、テスラのパフォーマンスは年初来で+82%と驚異的な成績を記録しています。アメリカ株式市場を代表するS&P500が+27%なので、その3倍ものリターンを叩き出していることになります。今年はまさに「テスラの年」と言えるでしょう。
この記事をご覧いただいている方の中には、テスラ株に投資されている方も多いと思います。今年の投資成績は最高の一年となり、懐も暖かく、年末年始を迎えられそうですね。
とはいえ、このテスラ株の急騰は、実はごく最近の出来事です。以下のチャートをご覧いただければわかりますが、11月4日までは前年比0%以下という低迷した状況が続いていました。それが米大統領選挙をきっかけに、テスラ株は急上昇を始め、現在も快進撃を続けています。
そんな波乱に満ちた、ジェットコースターのようなテスラ株投資。この一年の終わりにあたり、今回はテスラ株価に影響を与えた重大イベントを振り返ってみたいと思います。
テスラ株価を大きく下げたワースト5イベント
それでは、今年テスラ株価に最も影響を与えた出来事を振り返っていきましょう。1日の株価パフォーマンスを基に、ワースト5つ、そしてベスト5つをご紹介します。まずは、ワースト5から振り返ります。
1月25日(騰落率 -12.13%)2023年第4四半期決算発表
テスラが第4四半期の決算を発表しましたが、収益が市場予想を下回ってしまいました。さらに、イーロン・マスクCEOが「新しい製品発表はまだ控えるよ」と発言したことで、投資家の期待がしぼみ、株価が下落する結果となりました。
7月24日(騰落率 -12.33%)2024年第2四半期決算発表
第2四半期の決算で、利益率の低下と競争激化による販売減少が明らかになりました。特に、中国市場での激しい競争により、価格を下げざるを得なかったことが利益率を圧迫し、投資家の売りを招いたようです。さらに、ロボタクシーイベントの延期という悪材料も加わり、株価はなんと12%以上も下落する結果に。厳しい展開でしたね…。
9月6日(騰落率 -8.45%) 8月の米雇用統計
この下落の主な原因は、取引開始前に発表された8月の米雇用統計(非農業部門雇用者数:NFP)でした。結果が予想を下回ったうえ、6月と7月のデータも下方修正される事態に。これを受けて市場は一気にリスク回避モードに突入し、テスラを含むハイテク株が売られる流れとなりました。まさに、市場全体が守りに入った動きでしたね。
10月11日(騰落率 -8.78%) We Robotイベント
前日に行われた「We, Robot」イベントでの新製品発表が期待を下回り、投資家の失望感を広げる結果となりました。特に、ロボタクシーに関する詳細な情報が不足していたことが批判を招き、これが株価下落の大きな要因となりました。また、9月中はイベントへの期待感から株価が右肩上がりだったため、その反動で大きな下落を引き起こしたとも言えますね。
とはいえ、テスラはハンドルやペダルのない「サイバーキャブ」を実際に走行させ、大量輸送車「ロボバン」も初披露しました。これらは完全自動運転の未来を強く感じさせるものでした。確かに投資家目線では物足りない部分もあったかもしれませんが、テスラファンにとっては、自動運転の世界が現実に近づいていることを実感できる、素晴らしいイベントだったのではないでしょうか。
12月18日(騰落率 -8.28%)FRBの利下げペース鈍化
米連邦準備理事会(FRB)が、2025年の利下げペースを鈍化させる見通しを発表したことで、金利上昇への懸念が広がり、成長株全般に売りが出ました。その影響を受け、大統領選後に上昇を続けていたテスラも、大きく株価を下げる結果となりました。
テスラ株価を大きく上げたベスト5イベント
4月24日(騰落率 +12.06%)2024年第1四半期決算
テスラが第1四半期の決算を発表しましたが、売上高や調整後EPSなどが市場予想を大きく下回る結果となりました。しかし、イーロンが低価格モデルの販売を前倒しする方針を示したことが市場で好感されました。さらに、テスラが配車サービス機能を含むアプリを開発中で、Uberなどが展開する配車サービス産業への参入が見込まれると報じられたことで、将来的な売上拡大への期待が高まり、株価上昇の要因となりました。
4月29日(騰落率 +15.31%)イーロンの中国訪問
イーロンが訪中し、FSD(完全自動運転)の中国での実用化が進展する期待から、テスラ株が買われました。さらに、「モデル3」と「モデルY」が中国のデータセキュリティ規制に準拠していると認定され、これまで禁止されていた地域での乗り入れが可能になる見込みが株価上昇の追い風となりました。
7月2日(騰落率 +10.20%)2024年第2四半期納車台数発表
第2四半期の納車台数が市場予想を上回り、テスラ株が急騰しました。納車台数は予想の43.9万台を超える44.3万台となり、市場にポジティブなサプライズをもたらしました。また、エネルギー事業では過去最高の導入量9.4GWhを記録。前年比157%増、前四半期比132%増という驚異的な成長を見せ、投資家の注目を集めました。
10月24日(騰落率 +21.92%)2024年第3四半期決算
テスラが発表した2024年第3四半期の決算が市場予想を上回り、テスラ株は今年最大となる20%以上の大幅上昇を見せました。特に、車両1台あたりのコストが過去最低の約3万5100ドルまで低下し、これが利益率を大幅に押し上げた点が高く評価されました。また、イーロンが2025年の販売見通しとして、2024年比で20~30%の成長を見込んでいると発表したことで、投資家の信頼感をさらに後押ししたようですね。
11月6日(騰落率 +14.75%)米大統領選挙でトランプ氏が大勝利
米大統領選挙で、イーロンが支持を表明していたトランプ前大統領が大勝利を収めました。この結果、投資家たちは「これでテスラに追い風が吹くぞ!」と判断し、テスラ株を積極的に買う動きが広がりました。特に、イーロン・マスクとトランプ氏の親密な関係が注目され、新政権下でテスラが優遇される可能性への期待が高まりました。また、トランプ政権のもとで自動運転車に関する規制緩和が進むという期待も加わり、株価上昇の大きな要因となりました。
まとめ
2024年もテスラにとっては波乱万丈な1年でしたね! 振り返ると、株価を押し上げたのは納車台数やエネルギー事業の成長、中国市場での前進など、テスラの事業戦略の成果が大きく影響しました。一方で、決算の不振やイベントへの期待外れ、FRBの金利政策などが株価に悪影響を与える場面も。
それでも、今年のテスラ株のパフォーマンスは驚異的で、投資家にとって忘れられない1年になったのではないでしょうか。さらに来年もどんな展開が待っているのか、楽しみですね!
文・じんべい
日本企業でサラリーマンをしながら、 米国株式投資や太陽光発電投資で資産形成し、2023年3月にサイドFIRE。 株式投資では、S&P500を積立投資しながら、 個別株はテスラを中心としたEV銘柄に集中投資を実行中。YouTubeチャンネル『じんべい【テスラとNio】について語るチャンネル』登録者数:約1万9000人。 X(Twitter)フォロワー数:約8000人。平日毎朝、Xにて前日のテスラ株価情報を発信、また毎週末にはYouTubeでテスラ株価ニュースを配信中。